約2年ぶりに代表へ復帰した今野(17番)は、本職の守備で奮闘するとともにチーム2点目を決めた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

[ワールドカップアジア最終予選6節]日本 2-0 UAE/3月23日/アルアイン

 負ければワールドカップ出場圏内の2位以内から陥落する危険もあったUAE戦で、きっちり勝点3を掴んだことは素直に称えたい。中東独特の環境にも適応しなければならない難しい試合だったが、そのなかで最大限のパフォーマンスを披露してくれたのではないだろうか。

 ゲームを振り返ると、試合への入り方は悪くなかった。日本はやや守備に重心を置いていたが、1トップの大迫が開始10分までにシュート2本を放ったように、アグレッシブにゴールへ迫る気概が感じられた。

 13分に久保が奪った先制点も、それが表われていた。右サイドで酒井宏がボールを持った瞬間、すかさず久保は、ペナルティエリア内へ走りこんでパスを要求した。止まってボールを受けるのではなく、スピードを殺さずそのままシュートに持ち込んだ一連のプレーと判断は、本当に見事だったと思う。貪欲に結果を求めていたからこそ、あのようなプレーが生まれたのだろう。

 この日の久保は誰よりもキレがあった。52分に今野の追加点をアシストした場面がそうだったように、広い視野を確保しながらプレーしていたところにも好感が持てた。昨年11月のサウジアラビア戦では、初スタメンに抜擢されながら、怪我で前半終了時に交代したが、その鬱憤を晴らすかのような活躍ぶりだった。次のタイ戦でのプレーも非常に楽しみだ。

 もうひとつ、この試合で喜ばしかったのは、欧州組と同様に国内組も一定水準のパフォーマンスを披露していたことだ。山口や途中出場の倉田も違和感なくプレーしていたが、なかでも印象的だったのが今野の働きぶり。キャプテンの長谷部が離脱したため、代わりの選手がどれほどのパフォーマンスを見せられるのかがひとつの焦点となったが、約2年ぶり(2015年3月のチュニジア、ウズベキスタン戦以来)に代表へ復帰した今野は、不安をまったく感じさせない出来だった。

 ツボを押さえたポジショニングと力強い守備でピンチの芽をことごとく潰す姿は頼もしく、チーム2点目を自ら決めた場面のように、チャンスと見れば迷わず前線にも顔を出す。ピッチ上での攻守両面における振る舞いは、実に効果的だったと言える。

【W杯予選 UAE0-2日本 Photo 】久保が先制ゴール!後半には今野が追加点!
 結果を求めた試合で内容を問うのはナンセンスかもしれないが、課題もはっきり見えた。

 最も気になったのは、後半序盤の守備。UAEの攻勢を受け、48分、49分と両サイドからのクロスで立て続けにピンチを迎えた。幸い失点にはつながらなかったが、特に自陣右サイドからクロスを入れられ、ボレーシュートを撃たれそうになった3分の場面は、完全に1点ものだ。

 もちろん、見方によってはチャンスを確実に生かした日本が一枚上手だったとも言える。ただし、先に述べた問題を簡単に片づけてはいけない。アジアレベルでは「助かった」で済むが、欧州や南米の国が相手となれば確実に仕留められていただろう。

 何度も言うが、今優先すべきは2018年のワールドカップ出場権の確保で、つまりは結果が一番重要になる。しかし、日本が今よりさらに成長してほしいからこそ、あえて言いたい。緩慢なプレーをひとつでもなくすよう、肝に銘じてほしいと。

 17年に行なわれる5試合のアジア最終予選のうち、まずは初戦を制したが、混戦模様は変わらない。トップのサウジアラビア(勝点13)と勝点で並んでいるものの(得失点差で2位)、3位オーストラリアとは勝点3差と予断を許さない。

 だからこそ、3月28日のタイ戦は、格下と思わずに、もう一度気を引き締め直して臨んでほしい。UAE戦で負傷交代した大迫の状態次第ではスタメンの顔ぶれに変化もあるだろう。ホームでの一戦ではどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、注目したい。