守備陣はUAEの攻撃をシャットアウト。最後までゴールを割らせなかった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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[ワールドカップアジア最終予選6節]日本 2-0 UAE/3月23日/アルアイン
 
 UAE戦は危なげなく勝点3を掴んだけど、何より最初のチャンスで先制点を奪えたのが大きかったね。その後は、しっかり守ってチャンスを窺う“アウェーらしいサッカー”ができていた。さらに後半の立ち上がりには今野が良い攻め上がりから追加点をマーク。効率よくゴールを重ね、アウェーで貴重な勝利を手にした。
 
 UAEは早い時間に失点して、焦りがあったようだ。日本のピンチと言えば、前半に川島がビッグセーブでマブフートのシュートを防いだシーンくらい。最終予選で4ゴールを奪っているUAEのエースFWハリルが欠場したのも、日本にとってはラッキーだったね。UAEは、日本が苦手とするフィジカルに長けたチームではないし、独力で局面を変える選手もいなかった。だから、日本の守備陣は対応しやすかったはずだよ。
 
 先制点を奪ったことで、相手が得意とするカウンターを封じられた点も大きかったね。日本が苦戦するとすれば、先制点を奪えずに前に出たところを、カウンターで突かれるという形だと予想していたから。
 
 トータルで考えれば、日本とUAEには明らかにレベルの差があった。昨年の9月に埼玉スタジアムで対戦した際には、日本はFKとPKで失点して敗れたけど、最終予選の初戦ということで日本の選手に硬さがあったのだろうね。
 それにしても久々の代表戦になった今野は、良い仕事をしたね。ディフェンス面では、真骨頂の球際の強さとボール奪取力を見せていた。加えて貴重な追加点を奪ったのだから、この日のヒーローと言えるよ。
 
 この今野の活躍でハッキリしたのは、今後もクラブでコンスタントに試合に出ている選手を起用するべきだということ。
 
 今野は最後まで足が止まらなかったよね。彼はもともとスタミナがある選手だけど、日々、90分をしっかり戦い、ゲーム体力を養えているからこそ、こういう試合でもハイレベルなパフォーマンスを発揮できるんだ。久保にしたって今年1月に移籍したヘントで、リーグ7試合で5得点と結果を残している。その好調ぶりをUAE戦で証明した。
 
 だからこそ、ミランで出場機会を掴めていない今の本田が、なせ必要なのか僕には理解できないんだ。クラブで試合に絡めていない選手を招集するなんて、世界の常識からはかけ離れている。本田はUAE戦では78分からピッチに立ったけど、目立ったプレーはなかったよね。
 
 あれくらいのパフォーマンスだったらJリーグで結果を残しているフロンターレの小林やマリノスの齋藤らを選出したほうがよっぽど効率的だ。UAE戦、タイ戦に向けた選手発表会見でハリルホジッチ監督は「このチームには本田が必要だ」という趣旨のコメントをしていたけど、本田抜きのチームでも勝利はできたはずだよ。ハリルホジッチ監督としては良い教訓になったんじゃないかな。
 
 何よりこれまでチャンスが少なかった今野、久保が活躍したことで、良い競争原理が働くよ。彼らの活プレーを見て、「俺だって」と、思っている選手は必ずいるはずだ。そして切磋琢磨していくからこそ、チームのレベルアップが望めるんだ。
 
 今までの功績や経験を重視してメンバーを構成しても、相手からしてみれば何も怖くないよ。
 UAE戦の勝利で日本は勝点を13に伸ばした。同勝点のサウジアラビアには得失点差で上回られて、2位に甘んじているけど、勝点10で3位のオーストラリアとの差を広げられたのは大きい。4位のUAEは勝点9。だた、この日のUAEのパフォーマンスを見る限りでは、ロシア・ワールドカップの出場権を無条件で得られる上位2位争いは、サウジアラビア、日本、オーストラリアの三つ巴になるんじゃないかな。