先制点をアシストするだけでなく、守備でも身体を張り続けて完封勝利に貢献。それでも酒井宏は「苦しい状態は変わらない」と警鐘を鳴らす。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

[ワールドカップアジア最終予選6節]日本 2-0 UAE/3月23日/アルアイン
 
 試合開始早々、13分に絶妙なスルーパスで久保裕也の先制弾を演出した酒井宏樹。機を見た駆け上がりでサイド攻撃を活性化するだけでなく、守備でも身体を張って対峙した相手を抑え切った。
 
「(ポジションを変えてきたオマル・アブドゥルラフマンは)ワールドクラスなので、かなり警戒しながら試合に入った。(久保)裕也も守備の時はしっかりと下がってきてくれて、コンパクトさを保てていたのも良かった」
 
 個人としても充実の内容で、チームはアウェーの地で勝点3を奪取。首位のサウジアラビアとは勝点13で並び(得失点差で日本は2位)、ワールドカップ出場権圏内をキープしている。
 
 だが、盤石に見えるUAE戦での勝利にも、グループBで2位につける現状にも、満足はない。その根底には「相手へのリスペクト」と「危機感」がある。酒井宏は“アジア”という戦いの場に対して、ある警鐘を鳴らす。
 
「驕るのが一番良くない。まだアウェーでの戦い、しかも中東での試合がふたつも残っていて(6月13日のイラク戦、9月5日のサウジアラビア戦)、苦しい状態は変わらない。

 まず、アジアのレベルが上がってきたことを僕らも、サポーターの皆さんも感じないと。日本が常に楽に勝てる、ワールドカップ出場が当たり前という感覚を選手は捨てている。
 
 最終予選は難しい試合になるのは(ヴァイッド・)ハリルホジッチ監督を含めて全員が理解しているし、相手をしっかりとリスペクトしながら、地道にやっていくしかない」
 
 もちろん「世界で勝つために球際などは向上している」という手応えはある。それでも、相手を下に見て戦えば、今の順位はすぐにでもひっくり返る。楽観視できる状態ではないのだ。
 
 ロシア・ワールドカップに出場するために――。慢心せず、油断なく、警戒を怠らず。3月28日のタイ戦も、兜の緒を締め直して迎えるつもりだ。