※写真はイメージです

写真拡大

2004年10月9日。この日『めちゃ2イケてるッ!』が、いまだ破られていない、空前絶後の歴代最高視聴率を獲得しました。33.2%ー。今の視聴率一ケタ台連発の惨状からは、考えられない人気ぶりです。

思えば10数年前。めちゃイケは輝いていました。当時は、めちゃイケメンバーのほとんどが30代前半。タレントとしてもっとも脂が乗った時期であり、数々の名企画が生まれました。

たとえば、『笑わず嫌い王決定戦』『恋のかま騒ぎ』『フジTV警察24時』のような他番組のパロディもあれば、『濱口ドッキリシリーズ』『爆裂おとうさん』『油谷さん』といった各メンバーの個性を生かしたコーナーもあり、まさに、よりどりみどり。
昨年、伊勢志摩サミットの「G7」に引っ掛けた、痔で悩む芸人たちのトーク企画「痔7」を放送したような迷走ぶりを思うと、何とも言えない気持ちになるというものです。

このように名企画を連発していた当時のめちゃイケにとっては、人気コーナーの打ち切りさえも、ほんのかすり傷程度の痛手に過ぎませんでした。

『しりとり侍』の後継企画としてスタートした『数取団』


2000年、全国の小中学生がこぞって真似し、一大ブームを巻き起こしたゲーム企画『七人のしりとり侍』。しかし、罰ゲームでの「模造刀による袋叩き」が問題視され、同年11月29日、「暴力やいじめを肯定している」とBPOが見解を示したために、やむなく打ち切りになってしまいます。

社会現象になるほどのキラーコンテンツを失ったため、並みの番組であれば、人気低下にもつながりかねない、相当な損失になるはず。しかし、そこは乗りに乗っていためちゃイケ。その1年余りあとの2002年6月8日に、新企画『単位上等!爆走数取団』をスタートさせ、『しりとり侍』に勝るとも劣らないブームを巻き起こしました。

大人気だった『数取団』のルールとは?


『数取団』のルールはいたってシンプルで、バイクにまたがり円形に並んだめちゃイケメンバーが、前の人の出したお題(物や事)に対して、次の人が正しい単位をつけいくというもの。
たとえば、1人目「犬」⇒2人目「1匹」「ジュース」⇒3人目「2杯」「カラス」⇒4人目「4羽」……。このように、物や事、そして数え方を連ねていきます。基本的に、物や事は何でもOK。前の人がいったやつをそのまま、流用することも可能です。

そのため、エンドレスで、同じお題と単位を繰り返していく現象が頻発するのですが、この停滞した状況を打破するのが「ブッコミ」と呼ばれるキラーパス。「刀→○振り」という分かりにくい数え方のワードを次の人にふったり、「タンス→ダンス」という似た言葉をふったり、さらには「新春シャンソンショー」など噛みやすい言葉をふったり(噛んでもアウト)……。

こうしたさまざまな攻め方ができるゲーム性の高さにより、瞬く間に、お茶の間へ浸透。かくして、しりとり侍で「フォッフォッ、フォフォフォ!」と言っていた小中学生たちは、1年半後に「ブンブン、ブブブン!」というコールを、学校の休み時間にふるようになったのでした。

罰ゲーム執行役の関取団、武蔵丸に返り討ちにされたことも


また、肝心の罰ゲームはどのようになったのかというと、『関取団』なる力士集団を登場させ、「スポーツマンシップで相撲に挑戦」というテロップのもと、メンバーと対決させる内容に改良。
これならば、突っ張ることが男の、たった一つの勲章だって信じて生きてきたようなヤンキー映画・アニメなどに親しんだ青少年の親世代にも、理解を得やすいと思ったのでしょうか。

しかし、「スポーツマンシップ」とは名ばかりで、頭突き、ジャイアントスイング、果ては金的攻撃まで駆使して、メンバーへ一方的な可愛がりをすることも。「暴力やいじめを肯定している」と捉えられなくもないのですが、果たして……。

最後は山本圭壱の淫行発覚で打ち切りとなってしまったものの、約4年間も人気コーナーとして君臨した『数取団』。
その長きに渡る放送の中で、当時メジャーリーガーだった新庄剛志がプレイヤーとして参戦したり、ゲストの武蔵丸が関取団を返り討ちにしたり、なぜか、放送作家の鈴木おさむと妻の大島美幸が相撲をとったりと、数々の名シーンを残してきました。

またこうした熱量のある名企画が、めちゃイケから誕生してもらいたいものです。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonよりクイック・ジャパン 113