黒木啓司(EXILE/EXILE THE SECOND)

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 EXILE/EXILE THE SECONDパフォーマーである黒木啓司。彼がプロデュースするプロジェクト「THE NINE WORLDS」が発足した。宮崎県出身の黒木が同郷のDJ SOULJAHとともに、EXILEエンタテインメントで九州を盛り上げ、その熱を日本全国、さらにアジアにむけて発信していくことを目指し立ち上げたプロジェクトだ。3月31日には、初のイベント『THE NINE WORLDS presents 九楽舞(クラブ) 博多座』を福岡・博多座にて開催。今後もフェス・イベントのプロデュースや「THE NINE WORLDS」での作品リリースなど、長期的なプロジェクトとして様々な展開を考えていくという。

 今回リアルサウンドでは、『九楽舞博多座』を目前に控えた黒木啓司にインタビュー。「THE NINE WORLDS」立ち上げの経緯や九州に対する熱い思い、さらに『九楽舞博多座』のプロデュースで学んだことについても語ってもらった。(編集部)

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■EXILEエンタテインメントをもっと身近に

ーー「THE NINE WORLDS」プロジェクトについて、改めて立ち上げの経緯を教えてください。

黒木啓司(以下、黒木):「THE NINE WORLDS」の構想は、2015年くらいから自分の頭の中で思い描いていました。40歳にむけて、これまでやってきたことをかたちにしたいなと思ったんです。二代目 J Soul Brothers、EXILEを含めると10年、LDHとの関わりでいえばそれ以上が経とうとしている。いろいろな経験をさせていただいたなかで自分にできることはなんだろうと考えた結果、培ったものを活かしながら、地元・九州を盛り上げることじゃないかと思いました。僕は宮崎出身なんですけど、地元ではエンタテインメントは遠い存在だった。今宮崎にもEXPG(EXILE PROFESSIONAL GYM)がありますけど、まだまだLDHのエンタテインメントが広がりきっていないと感じることがある。なので、「THE NINE WORLDS」の活動を通じて、九州の人たちにEXILEエンタテインメントをもっと身近に感じていただきたいと思っています。そして去年、サイバーエージェントの藤田晋社長に僕の思いをお話しする機会があって、まずAbemaTVで『bpm』という音楽番組を持たせていただくことになったんです。

ーー啓司さんがMCも務める『bpm』のプロデュースや『月刊EXILE』の九州にまつわる著名人との対談連載は、「THE NINE WORLDS」プロジェクトの一環でもあったわけですよね。

黒木:そうですね。『bpm』はアーティストと僕、また僕が選んだアーティスト同士の化学反応をテーマにしているので、旗揚げ公演『九楽舞博多座』でもLDHのアーティストたちと化学反応を起こせればと思っています。また『bpm』のロゴデザインでお世話になったSOPH.というブランドの清永浩文さんには「THE NINE WORLDS」のデザインまわりをお願いしました。清永さんも大分出身で、ファッション面でも日頃からいろいろ相談させてもらっています。対談させていただいた九州パンケーキの村岡浩司さんとは、旗揚げ公演の飲食でご一緒しています。『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)での「九州からアジアにむけて、九州の素材でパンケーキを作る」というお話に共感して、対談オファーをしたところからつながっていきました。そのほかにもいろいろと具現化すべく、動いています。

ーー『bpm』は面白い番組が出てきたなと思いました。第一回のゲストがMO'SOME TONEBENDERで、以降もHIPHOP以外のアーティストが数多く登場しています。

黒木:HIPHOPというよりもロックバンドを強く推している番組なんです。HIPHOPシーンで育っている僕がバンドを呼ぶ、その化学反応が面白いんじゃないかと。「EXILEがバンドを呼ぶんだ」とバンドのファンの方に認知してもらったり、逆にEXILEのファンにバンドを認知してもらう機会にもなっています。あと僕自身、HIPHOPを聴く前はバンドものを聴いてきたんです。もともとHi-STANDARDが好きで、メンバーの難波章浩(NAMBA69)さんにお会いできた時は、こういう番組をやっていてよかったなと思いました。この番組とも連動しながら、一緒に九州を盛り上げられたらと思っています。

ーーいよいよ3月31日からは「THE NINE WORLDS」の初プロデュース公演『九楽舞博多座』が始まります。

黒木:EXILEのなかでも、博多座さんのような会場でライブをやったことがあるグループはこれまでない。「THE NINE WORLDS」を伝統と歴史ある場所からスタートできるのは、とてもありがたいし縁起がいいですよね。インパクト、意外性もありますし。パフォーマンスでは、和の雰囲気とEXILEエンタテインメントで化学反応を起こしたいと思っています。

ーー演出で特にこだわった点は?

黒木:何をいちばん体感してもらいたいかというと、そのまま和テイストでいくのではなく、ブロードウェイで観た世界観を取り入れている点です。また、舞台的な見せ方や、これまでやってこなかった曲の披露など、新しいことにも挑戦しています。やりたいことはたくさんあったんですが、限界もあって。そういった意味ではすでに反省点が見えていて、次につながる勉強にもなりました。ほかにも、クリエイターの吉田拓巳くんに協力してもらっています。九州で15歳で起業して、今21歳。いろいろなフェスやイベントに関わっているなか、EXILEエンタテインメントでも挑戦してみたいと言ってくれました。

ーーこれまでイベントプロデュースの経験は?

黒木:まったくないです。でも、僕らのライブを作るのと一緒の感覚というか。特に『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2016-2017「WILD WILD WARRIORS」』は、本当に一から十までメンバーとSECONDチームのスタッフで作りあげたものなので、その経験が活きているなと。このツアーがなかったら『九楽舞博多座』も難しかったかもしれない。そこに集まってくれた人たちがいたからうまくいっているし、エンタテインメントの幅を広げることができたと思っています。

ーー飲食ブースやグッズなどについてはいかがでしょう。

黒木:福岡の有名ラーメン店、秀ちゃんラーメンの河原秀登さんやそのまわりの方々と仲良くなって、飲食ブースを8店舗展開します。グッズはこれまでなかった迷彩のピンクと桜をモチーフにデザインしました。フライヤーも今までなかったものにしたかったので、一から作っています。今回、ステージングの全てに関われたのは楽しかったです。本当に勉強になりました。

■ゆくゆくはアジアの人も巻き込んで活動していきたい

ーーところで、『九楽舞博多座』では、EXILE TAKAHIROさんやEXILE NESMITHさん(EXILE THE SECOND)は出演、YURINOさん(Happiness、E-girls、スダンナユズユリー)はグッズモデルを務めるといったかたちで、九州出身のメンバーが全面的に協力されています。みなさんも啓司さんのように地元愛は強いのでしょうか?

黒木:THE RAMPAGEにも九州出身が5人いますが、みんな地元愛はあります。でも、僕もそうだったんですけど、年齢をある程度重ねた方が地元への感謝の気持ちは強くなるんじゃないかなと。親のありがたみって年を取らないとわからないじゃないですか。それと一緒で。今回のイベントで、年上である僕が先陣を切って地元に恩返しすることで、その姿勢を若いメンバーにも伝えていきたいと思っています。

ーー啓司さんは上京する前、地元ではどのように過ごしていましたか。

黒木:宮崎で生まれてすぐに大分に引っ越して、小学校6年生まで住んでいました。その後中学から22歳までは宮崎に戻って、ほとんど野球に明け暮れていましたね。そんななか、HIROさんが所属していたZOO、「ダンス甲子園」のLL BROTHERSさんやインペリアルJB’Sさんのパフォーマンスを見ていて、ダンスはずっとやりたいなと思っていました。それから目指していたプロ野球選手という夢が途絶えてしまい、ダンスを始めたのが19歳の頃。僕はHIPHOPカルチャーが好きでダンスを始めたわけではなく、体を動かしたい、踊りたいというところからカルチャーを好きになって。それこそダンスを始めるまではロックを聴いていましたし。洋楽を聴いていた兄貴の影響もあって、唯一マイケル・ジャクソンのCDだけは持っていました。

ーー当時の印象も含めて、九州のエンタテインメントシーンについてはどう感じていますか?

黒木:音楽は濃いものが生まれているとは思います。でも、アーティストがライブをしても、移動の問題だったり、参加するまでのハードルが少し高い印象がある。だからこそ、僕はよりウェルカムな環境のイベントを作っていきたい。時間帯によって子どもたちのオーディションをやったり、バンドやシンガーが出られる時間があったり、アーティストがそこで何かできるシステムがあってもいいと思うんです。お客さんも普通にライブを観るんじゃなくて、もっとライブの中に入り込んでもらう。地元の人と一緒に作り上げる九州密着型。例えば、そういったものを宮崎からスタートして移動式にするのも面白いかなとか。ただ、宮崎は陸の孤島と言われていて、新幹線が通っていなかったりする。そういうことにも働きかけながら、EXILEエンタテインメントを広げていきたいですね。それと、LDHは飲食やファッションブランド、事務所が中目黒に集まっているんですけど、こういうシステムを福岡に持っていったら面白いなとも思っていて。それが熊本や宮崎にもできていく。僕は調理師免許を持っているのでいずれ飲食もやりたくて、いろいろな方々と関わらせていただいているんです。

ーーなるほど、想像以上に大規模なプロジェクトなんですね!

黒木:今は頭の中にあるだけで、それがどうつながるかはわからないですけど……。

ーーイメージを膨らませていくことがお好きなんですか?

黒木:好きですね。

ーーそんな啓司さんのあらゆる夢が詰まった「THE NINE WORLDS」プロジェクト、今後の展望を改めて聞かせいただけますか。

黒木:まずはイベントやフェスをやったり、いろんな人たちとつながるということ。「THE NINE WORLDS」はまだパフォーマーの僕とDJ SOULJAHしかいないので、いろいろな方にサポートや協力をしてもらって、九州をまわりたいと思っています。人材発掘もしてみたい。九州って綺麗な女の子やかっこいい男の子が多いので。また、僕は日本の入り口、アジアの入り口は福岡だと思っていて、2020年の東京オリンピック以降、日本がさらに注目されるなかで、九州はアジアの人にもっと注目されると考えています。そこでエンタテインメントをやってみたいという気持ちも「THE NINE WORLDS」の立ち上げにつながっています。アジアのアーティストともつながって、ゆくゆくはアジアの人も巻き込んで活動していきたいですね。

ーー最後に『九楽舞博多座』への意気込みをお願いします。

黒木:初日が開けてみないとわからないですけど、とにかく頑張るしかない。そして、今回来てくれる人も来れない人もまた「観たい!」と思うようなイベントに、そしてツアー化できたらいいなと思います。