子どもに母乳を飲ませる女性。南スーダンで「国境なき医師団」(MSF)が運営する医療施設で(2016年10月11日撮影、本文とは関係ありません)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】カンボジアの貧しい母親たちから母乳を買い取り、米国向けに輸出していた米企業に対し、カンボジア当局が暫定的に輸出停止措置をとっていたことが今週、明らかになった。

 米ユタ(Utah)州に拠点を置くアンブロージア・ラボ(Ambrosia Labs)は、海外で調達、保存した母乳を米国へ輸入し販売する、初の母乳バンクをうたって事業を展開。カンボジアで調達された母乳は凍結されてから米国へ移送され、低温殺菌された後、5オンス(147ミリリットル)のパックが20ドル(約2200円)で販売されていた。子どもの食事を補いたい母親や、十分に母乳が出ない母親が購入しているとみられる。

 母乳を提供しているのはカンボジアの首都プノンペン(Phnom Penh)の貧困地区の女性たちで、ぎりぎりの収入に上乗せして家計を支える手段となっていた。

 しかしカンボジアの税関当局は20日、「人の臓器に由来する生産物」であることを理由に母乳の輸出を暫定的に差し止めたと発表した。輸出を継続させるかどうか、政府が協議を行うとしている。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の広報担当者は22日、AFPの取材に対し、「母乳バンクが利益や商業目的のために、立場の弱い貧しい女性たちを搾取して運営されることがあってはならない」と語り、この企業を非難した。また「母乳は血液と同様、人の組織としてみなし得るもので、その商業化は禁止されるべきだ」と述べた。
【翻訳編集】AFPBB News