瑞穂の國記念小學院HPより

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 森友学園問題。本日、注目の籠池泰典理事長の証人喚問が始まった。午前に行われた参院予算委員会の証人喚問で、新事実が次々に飛び出している。

 冒頭、山本一太委員長から国有地取得について政治的関与があったかどうか問われ、籠池理事長は「あったのだろうと認識しております」と答えた。

 最初に質問に立った自民党の西田昌司議員は、学園の財務状況を追及し、そもそも学校を新設できる状態になかった、それがこの問題の本質だ、などと的外れな指摘を行った。「認可適当」としたのは大阪府の私学審議会なのだから大阪府に聞けよという話であるが、これには籠池理事長からも「この問題の本質は、口利きがあったかどうかであって、議員の質問は的外れ」と返される始末だった。

 そして、籠池理事長は、やはり昭恵夫人に"口利き"を依頼していたことを明かした。籠池氏は冒頭陳述のなかで、小学校建設用地として取得した問題の国有地について、このように述べたのだ。

「その土地は国有地ということで、平成27年5月29日に定期借地契約を締結しました。その土地の買い上げの条件として、10年だったものをもっと長い期間へ変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。留守電でしたのでメッセージを残しました。すると後日、内閣総理大臣夫人付のタニサエコさんという方からご連絡いただき、『なかなか難しい』とのご返事をいただきました。平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいたファクスでは、『大変恐縮ながら現状では希望に沿うことができない。なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております』というお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます」

 これが事実であれば、国有地の取引について昭恵夫人側が口利きをしていた可能性はかなり高いと言わざるをえない。

 籠池理事長によると、タニサエコという人物は昭恵夫人が講演をした際に幼稚園にも同行していた人物でもあるそうで、民進党の福山哲郎議員が確認したところ「たしかに経産省から内閣府に出向している記録があるようです」という。この国有地をめぐる昭恵夫人側とのやりとりについて、福山議員がさらに詳しく尋ねると、籠池氏はこう述べた。

「内容にいたしましては、ちょうど定期借地が終わりました、契約しました頃でありますので、買受特約10年がついておりました。ちょうどその時期に、介護施設については50年の特約がつくというようなことが言われておりましたんで、そのことを、介護施設ではあるんだけど学校法人はどうなんでしょうかというふうなことを、お聞きお願いしたということであります。その結果、それは今のところ学校法人は無理だということであったと、いうふうなことであります」

 籠池理事長によれば、このときのやりとりの物的証拠であるファクスを保持しているという。福山議員は「夫人付きの方が動いたことがあるということは非常に大きなこと。これはある種、忖度が働いてもおかしくないかなという状況」と感想をもらしていたが、その通りだろう。昭恵夫人側に具体的にどういう動きがあったのか、昭恵夫人を証人喚問し、解明するべきだ。

 さらに籠池理事長は、昭恵夫人と小学校との結びつきの強さを感じさせるエピソードも明かした。小学校の開校予定地を昭恵夫人と訪れたことがあるかと問われた際、「土地を見て『いい田んぼができそうですね』と昭恵夫人が話したことから、『瑞穂の國記念小學院』という名前にした」と明かしたのだ。

 さらに、籠池理事長の妻と昭恵夫人はこの問題が明らかになって以降も「2月中に22回、3月中は15〜6回」もメールをやりとりしており、なかには昭恵夫人から口止めともとれる内容のメールもあったという。この、メールについては昭恵夫人サイドも籠池理事長も公開してもいいと言っており、どういったやりとりがなされていたのか、さらに明らかにしてもらいたい。

 また稲田朋美防衛相との関係についても、新たな事実が発覚した。福山議員から稲田防衛相との関係について問われ、籠池理事長はこのように証言したのだ。

「稲田先生のところと顧問契約、結んでおりました。先生も出廷いただいたというふうに記憶しておりますけども、今回の土地の事柄につきましても、稲田龍示事務所に平成28年の1月にはご相談にいっております」

 これまでも証言していた稲田防衛相と夫の弁護士事務所が顧問弁護士であったという事実をあらためて語ったうえ、国有地取引についても稲田防衛相の夫である龍示氏に相談していたという事実を明かしたのである。

 稲田防衛相の答弁が虚偽であることがあらためて示されたことになるが、これが事実であるとすれば、龍示氏からどのようなサジェスチョンがあったのか、龍示氏を通じてまた稲田防衛相などがなんらかの働きかけを行ったのか、こちらもさらなる追及が待たれるだろう。

 そして、籠池理事長の証言からは、大物極右財界人の名前も飛び出した。公明党の竹谷としこ議員が私学審議会への報告のなかにあった愛知県の海陽学園への推薦枠について質問した際、「平成27年の6月にJR東海の葛西会長さんとご面談させていただいたときに、そういう小学校ができるんであれば、ぜひ入学させてあげたい、というふうな"リップサービス"をそのまま信じ込んで記入してしまった」と暴露したのだ。
 
 籠池理事長の証言にでてきたのはJR東海の葛西敬之名誉会長のことだと思われるが、海陽学園は、JR東海、トヨタ、中部電力などの東海地方の有力企業が中心になって設立された学校で、葛西氏は学園の理事長も務めている。海陽学園の推薦枠の問題が報じられたときから葛西氏の伝手を頼ったのではないかという見方は流れていたが、実際に「入学させてあげたい」と葛西氏が籠池氏に直接話していたとは驚きだ。

 また葛西氏といえば、経済界の大物であると同時に日本会議にも所属する極右論客としても知られ、国家公安委員会の会議ではヘイト集団・在特会を評価するような発言をしていたこともある。もちろん安倍首相とも昵懇の間柄で、安倍首相をバックアップしてきた経済人による「四季の会」「さくらの会」の中心人物で、今月1日にも会食をしている。

 やはり安倍首相がいかに籠池理事長と個人的関係を否定しようとも、同じ極右ネットワークのなかで一体化していたということだろう。

 また、籠池理事長は、小学校に設置認可申請で、元大阪府議であり、「松井知事のお父様とも親しいお付き合い」があったという畠成章氏(2015年9月に逝去)の関与を明かした。このほかにも籠池理事長は大阪府の私立小設置基準の規制緩和の口利きを依頼した政治家として日本維新の会所属の東徹・参院議員の名を挙げ、そのほか小学校設立に関して相談した政治家として、自民党の北川イッセイ・元国土交通省副大臣や柳本卓治・参院議員の名前を出している。こうした政治家たちへの追及も必要だろう。

 明日にはついに迫田英明・前理財局長と武内良樹・前近畿財務局長の参考人招致が決まったが、いずれにしても全容を解明するためには、籠池氏の証人喚問だけでなく、昭恵夫人、迫田前理財局長ら財務省関係者、松井一郎府知事はじめ大阪府の関係者の証人喚問が必要だろう。
(編集部)