UAEでW杯予選を戦うのは、1997年9月以来となる。

 アブダビで行われた20年前の一戦は、フランスW杯最終予選の第2戦だった。試合当日は朝から暴力的な日差しが降り注ぎ、日陰にいてもどんどんと水分を奪われていく感覚があった。

 キックオフの2時間ほど前にスタジアムへ着いた僕は、試合が動き出すまでに500ミリのペットボトルを4本飲み、試合終了のホイッスルを聞いたときにはさらに3本を空にした記憶がある。これ以前にもカタール、サウジアラビア、オマーンで取材をしたことがあり、中東の暑さには自分なりに馴染んでいたつもりだったが、あの日のアブダビは酷暑だった。

 試合はスコアレスドローだった。アウェイゲームということもあり、勝点1を持ち帰ったことが評価された。

 悪くない結果だったのは間違いない。ただ、この引き分けはのちに、「勝点2を失った」ものと認識されるようになる。

 韓国、UAE、ウズベキスタン、カザフスタンとのグループリーグは、韓国と日本が首位を争うと予想されていた。極東の2か国に続くのは、96年のアジアカップで準優勝していたUAEである。UAEとの直接対決は、首位での予選通過を左右するものであり、プレーオフ進出の2位確保のためにも重要な意味を持っていた。

 最終的に韓国が勝点19を獲得し、首位でフランス行きを決めた。日本は勝点13で2位となり、イランとの第3代表決定戦へ挑むことになる。UAEは3位で、勝点は9にとどまった。

 それでも、第7戦で韓国に勝利するまで、日本はUAEの後塵を拝していた。自力でのプレーオフ進出の可能性が、消滅したタイミングさえあった。

 ギリギリまで追い詰められた一因は、UAEとのアウェイゲームにあっただろう。ウズベキスタンとカザフスタンのアウェイゲームで、勝点3を取り切れなかったのもチームを追い詰めた。ただ、直接的なライバルを突き放せなかった意味で、アブダビでのドローがチームを苦しめたのは間違いない。

 ひるがえって、今回の一戦である。

 5試合を終えた時点での勝点は、サウジアラビアと日本が10で、オーストラリアとUAEが9となっている。引き分けならUAEに抜かれることはないが、サウジアラビアに引き離され、オーストラリアに抜かれてしまう可能性がある。

 UAEにはホームで勝ち点3を失っているだけに、アウェイで勝ち点3を取り返さなければいけない。リベンジを果たすといった感情的な理由ではなく、予選突破からの逆算で勝点3が必要だ。引き分けでは「勝ち点2を失った」ことになり、のちに大きな代償を払うことになりかねないのである。