連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第25週「時の魔法」第142回 3月22日(水)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎


142話はこんな話


キアリスを引退しようと考える紀夫とすみれ(芳根京子)。
そして、キアリスの4人はこれまでを振り返る。

生きがいってものすごい言葉やな


まるで総集編のようであった。

キアリスを30年近く前からはじめたってことは、すみれは50代か。50代で引退するのは、いまの時代と比べたら早い。

君枝と話していて昭一(平岡祐太)が熱く強く「生きがいってものすごい言葉やな」と語る。
ここのところ「東京タラレバ娘」(日本テレビ)でちゃらい二股バンド野郎を演じていてそっちのイメージが強くなってしまい、昭一としての存在感は時々出てきても一言も台詞がないことすらあった。ここでようやく台詞らしい台詞があってよかったと思う。

あの頃の私に教えてあげたいわ


なんで15も上のひとと・・・って、少女の頃、不満に思ったことを、勝二(田中要次)に話す良子(百田夏菜子)。いまやすっかりお似合いの夫婦。こういうこともあるんですねーという良いサンプル。

はい、おしまい


紀夫(永山絢斗)が、すみれが初恋の人だったと告白。
また白髪チェックがはじまって・・・
それを、台所で並んで膝を抱えて聞いているさくら(井頭愛海)と健太郎(古川雄輝)。
朝ドラ名物、立ち聞きの変形パターン。立って聞いてない! この画は若いふたりの仲睦まじさが出ていて、
微笑ましかった。ふたりのシーンで好感をもったのはじめてかもしれない。皆さんどうですか。

ヨーソローはどうなったのか


夫婦がそれぞれ仲睦まじく雪の夜を過ごすなか、明美(谷村美月)はどこかからひとりで帰ってくる。
映画を観てきたのか、飲みに行ったのか。明美はまだヨーソローに行っているのだろうか。『べっぴんさん』スピンオフがヨーソローの話らしいので、きっとまだあるのだろうけれど、レリビィができてからいっさい行かない。作劇及び制作の都合なのはわかるので、その都合を物語に必然として描いてほしいのが視聴者の願いである。説明台詞でいいから、ヨーソローのその後を語ってほしいのだが、なぜ頑なに触れないのか『べっぴんさん』最大の疑問である。すみれが紀夫の初恋だった話は、いい話だが、もうお腹いっぱいである。

明美が帰ってきたとき、家の入り口が店の入り口であることを今更ならが口にする良子。このドラマの登場人物は心に秘めて、あとになってようやくポツリと言うタイプなのだよなあ。それはそれで個性だからいい。
それにしても、店の上に住む(とくに飲食店)のはやはり何かと不便だろう。それでもずっとここに住み続ける明美は、ひとりで生きていく覚悟をもって、相当節約して、きっと忠さんみたいに大金を貯めているのであろう。でもきっと栄輔(松下優也)が最後に出てくるんだろうけれど。待てば回路の日和あり。残り物には福がある。
(木俣冬)