Googleグラスの発展形「SENTH IN1」は、さらなる進化を遂げるも問題発生の様子

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Photo credit: Martin Gommel via Visual Hunt / CC BY-NC-SA

Googleグラスは、一般消費者には受け入れられなかった。

大衆が具体的な用途を見出だせなかったというのもあるかもしれないが、アメリカという国はプライバシー問題に関して非常に厳しい。日本人が道路交通法に対して保守的・硬性的な姿勢なのと同様に、アメリカ西海岸の市民は情報プライバシーについて極めてデリケートな姿勢を見せる。その問題の答えを、Googleは出せなかったのだ。

だが、Googleグラスが示した技術的可能性は、今も受け継がれている。

自転車運転のサポートに特価

一般層への普及が難しいのなら、ある程度購入者を限定するような製品を作ればいい。恐らく、開発者はそう考えたのだろう。

クラウドファンディング『Indiegogo』に出展されたのは、『SENTH IN1』というスマートグラス。これはサイクリング競技の選手や愛好者を対象にした製品である。

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基本操作は、ハンドルに装着したコントロールパッドで行う。ここから通話、位置情報、カメラ撮影、音楽などのメニューを選択。走行データの算出やナビゲーション、危険要素となり得る自動車の表示などもできるという。

この製品の使用が、日本の道路交通法に接触しないのかどうかはここでは判断しかねるが、Googleの要素を進化発展させているという点は大いに評価できるだろう。

第2世代機発表も…

さて、ここで博識な読者諸兄はお気づきかもしれない。

このSENTH IN1の資金調達キャンペーンは、一昨年の話である。つまり筆者は、2年前の製品をここで紹介しているのだ。だから、「澤田は今更こんな製品を紹介している」と思われた読者もいるだろう。

筆者がSENTH IN1を取り上げたのには、それなりの理由がある。

この製品、Indiegogoの同じキャンペーンページで昨年第2世代機を発表した。価格は289ドル(約3万3,000円)。Googleグラスの子供たちは、さらなる進化を遂げているということだ。

ただし、第2世代機の発送は遅れてしまっているらしい。これに対して、ここ数日抗議の声が強くなっているのが非常に気になる。こうしたことが積もり積もるとリファンドの大合唱が発生するのだが、今はその数歩手前ということか。

この製品の今後は、これからも要注目である。

【参照・動画】

※ SENTH IN1: The first true AR cycling glasses - Indiegogo