【ライターコラムfrom神戸】“東京五輪世代”藤谷壮 「常にチャレンジャー」として高みへ

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 5月20日に開幕する『2017 FIFA U−20ワールドカップ』(韓国)は、2020年の東京オリンピックを占う意味でも注目したい大会だ。今大会に出場する各国のヤングジェネレーションが、3年後にはオリンピック代表になるからである。昨年の「AFC U−19選手権」を初制覇した日本も5大会ぶりに出場。ジュビロ磐田の小川航基や京都サンガF.C.の岩崎悠人、飛び級での代表入りが期待されるFC東京U−18の久保建英など注目株も多い。

 ヴィッセル神戸の右サイドバック、藤谷壮もその一人だ。小学生のジュニアクラスから神戸の下部組織で育ち、U−18、U−19と年代別の日本代表にも名を連ねてきた。持ち味は爆発的なスピードで、アカデミーの1年先輩にあたる左サイドバックの山口真司が「自分にも壮くらい爆発的なスピードがあれば…」と羨むほどの走力を持っている。アジアに続いて、世界を驚かせるだけのポテンシャルは十分にある。

 だが、ここまで順風満帆というわけではない。2種登録だった2015年にはJ1デビューを果たしているものの、昨季は高橋峻希のリーグ戦全試合フル出場や自身のケガなどの影響もあって公式戦の出場はなし。今シーズンも開幕戦からベンチ入りはしているが、4試合でまだ出場は無い。藤谷は「代表合宿でできるだけ試合勘を取り戻したい」という思いで現在、3月20日から27日にかけてのドイツ遠征に参加している。幸い、予定ではU−20ドイツ代表戦を含め4試合が組まれている。「昨年は試合に出られない中で、日頃の練習からどんな状況でも怠らず、腐らずにやろうと決めてやってきた。筋トレで大きくなった上半身が馴染んできて、今は重さを感じないし、むしろ以前よりも軽く感じるくらい。なんとかU−20ワールドカップまでに試合勘を戻していきたい」(藤谷)

 3月15日に行われた組み合わせ抽選会で、日本はウルグアイ、イタリア、南アフリカと同じグループDに入った。強豪揃い。グループリーグ突破は一筋縄ではいかないと予想される。だが、藤谷には手応えもあるようだ。

「昨年の年末にU−20アルゼンチン代表と試合した。正直、個の差は感じたけれど、チーム力を活かせば勝てない相手ではないなと感じた。せっかくU−20ワールドカップに出るんだから、できるだけチーム力を高めて、優勝するという強い気持ちで挑みたい」

 アジア王者として挑む今大会のU−20日本代表だが、それに対する誇りこそあれ、おごりはない。藤谷は「常にチャレンジャーです」と言い残し、ドイツへと向かった。

文=白井邦彦