音喜多 駿(おときた・しゅん)東京都議会議員。都民ファーストの会 東京都議団幹事長。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループを経て現職。

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■八百長相撲はもうやめませんか

自由民主党は、東京都民に対して冷淡で、地方の意見ばかりを反映してきた政党です。地方で支持を得て、国会議員を出すことに重点を置いています。都議会自民党は、都民に対してはそのことに異議を唱えているふりをしながら、誤魔化しを続けてきました。

2月6日、第1回「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」が開かれ、東京における大学の新増設の抑制や地方移転の促進について話し合いが行われました。ここで座長代理(ナンバー2)を務めることになったのが、昨年の東京都知事選挙に自民党推薦で立候補していた増田寛也氏です。会議中、「(東京での大学増設)を抑制すべきでない」という声が出る中、増田氏は「抑制すべき」と発言しました。昨年夏には、東京都知事として都民のために働くとお話をされていた人物の発言とは思えませんね。

第1次安倍内閣で総務大臣だった菅義偉氏と後任の増田氏は、都心から法人二税(法人事業税と法人住民税)を巻き上げ、地方の公共事業等にバラ撒く政策を実施してきました。現在、東京都から他道府県へ流出する税金の総額は、有識者の調査によると7兆2233億1200万円(平成25年度)にのぼり、東京都民一人あたり月額4万5482円になります。菅氏は、この一連の法案の実施を都議会のドン・内田茂氏に許可をもらいにいき、「快くご快諾いただいた」として内田氏を政治資金パーティー等で持ち上げていたと報じられています。

自民党のこの根本構造は、基本的に変わりません。自民党と都議会自民党には表面上の発言に違いはありますが、実質的に東京都民の税金をドンドン地方に流しているのが現状です。都民は都議会自民党を信じて投票をしているのに、国から「東京にはもう大学をつくりません。大学も地方へ移転させます」と言われたらそれを受け入れてしまいます。

昨年の都知事選で、もし自民党推薦の増田氏が都知事になっていたら、岩手県知事や総務大臣として東京都の税金を地方に回してきた人が、地方政党の自民党と一緒になって、都民のための政治ができるのかという大きな疑問がありました。増田氏と小池知事の大きな違いは、「都民ファースト」の言葉に端的に表れています。地方を見殺しにしようなどとは全く考えていませんが、東京の活力を根本から奪ってしまっては、日本全体が沈んでしまう。東京の活力を奪ってきた実績満載の候補を、昨年の都知事選で応援した自民党。圧倒的な票差で完敗したにもかかわらず、反省の弁は聞こえてきません。

小池知事が実現しようとしている「東京大改革」が絶大な支持を集める理由も、地方を基盤とする自民党と比べることでわかるのではないでしょうか。都民のための政治を行い、東京を日本経済の成長のエンジンにしていくためには、地方政党ではなく都市を基盤とする政党が必要になります。

都議会でのスタンスもブレていて、知事にすり寄ってきたかと思えば、昨年12月の東京都議会本会議の代表質問では事前通告なしに多数の質疑をして小池知事を困らせてみたり、最近では「我々は改革政党だ」と言ってみたり。一貫性がなくて意味がわからない。

「小池知事と政策は同じです」と言う自民党議員もいるみたいですが、自民党の政策はとても総花的であらゆる政策が書いてあるので、何かすれば同じようなことが見つかる仕組みになっています。でも、「政治は優先順位」が重要ですし、これまで都議会自民党はその政策を実行してこなかった。

小池知事の様々なものをオープンにして支持を得ていく「都民ファースト」のやり方と、自民党の「人々はルールに従わせておけばよくて、その中身や意味を理解させる必要はない」という古いやり方は大きく異なっています。

雇用や財源を東京から奪ってきた増田氏は、いま、大学や老親の終の棲家まで地方に移そうと画策しています。都議会自民党はこの政策に「口では反対、実質賛成」なのでしょうか。八百長相撲はもうこの辺でやめにしていただけませんか。

(藤井あきら=構成 原 貴彦=撮影)