UAE戦の予想布陣。長谷部不在のボランチは山口と今野が濃厚。クラブで出場機会の少ない本田や長友は外れ、リーグ戦で好調の久保や大迫らコンディションの良いメンバーが順当にスタメン入りすると予想した。

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 最終予選の後半戦初戦となるUAE戦は、ワールドカップ進出に向けて「最大の山場」と言っても過言ではない。
 
 日本は現在、3勝1分1敗で、首位サウジアラビアと勝点10で並び、得失点差でグループ2位。ロシア行きのチケットが自動的に得られる上位2か国に入っている。しかし、3位オーストラリア、4位UAEとの勝点差はわずかに「1」だ。今節、サウジアラビアはタイ、オーストラリアはイラクと、ライバル2か国は第1戦でともに手堅く勝利している相手との対戦となるだけに、日本はUAEに敗れれば4位に転落する可能性がある。

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「我々がすべきは勝利を持ち帰ること。勝つためにここにきた」
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の言葉通り、UAE戦で求められるのはなにより結果である。「どんな形でも勝利する」ことにプライオリティを置いた結果、勢いやコンディションよりも経験を重視したメンバーを選んだのだからなおさらだ。

 それゆえ、UAE戦での黒星はまさに致命傷となり得る。今回の最終予選で同じ相手に二度負ける事態になれば、チーム全体の士気に響くのは明らかに低下。続くタイ戦(ホーム)どころか、6月のイラク戦(アウェー)にも悪い影響を及ぼすはずだ。
 
 慎重な戦いを強いられるなか、指揮官が“冒険”をするとは考えにくい。とりわけ、敵地で先制される展開は避けたいだけに、守備陣は吉田を軸に、CBの相棒は森重、右に酒井宏、左に酒井高、守護神は西川と前回のUAE戦と同じ顔ぶれが並ぶだろう。長友はハリルホジッチ監督が前日会見でキャプテン候補に言及した際に名前が挙がったが、インテルで出場機会に恵まれていない状況を考えれば、より“動ける”酒井高に託すはずだ。
 
 注目は長谷部を欠くボランチの組み合わせだ。昨年10月のオーストラリア戦以降、3試合連続でスタメン起用されている山口は当確として、そのパートナーに誰を置くか。郄萩が右足親指の負傷で前日練習を欠席したなか、約1年半ぶりの代表復帰となった倉田を抜擢するだけの余裕も今のチームにはない。そう考えれば、「守備もできるし、つなぐこともできるし、相手を潰すことも、気の利いたカバーリングもできる。トータルで高いレベルでプレーできる選手」(吉田)の今野を、“長谷部の代役”として起用するのがベストだろう。
 トップ下は香川と予想した。11月シリーズではスタメンの座を明け渡したが、ドルトムントで公式戦3試合連続フル出場と調子を上げた状態で合流。右脚の違和感で開幕に出遅れた清武よりも状態は間違いなく良い(清武は20日の練習は途中から別メニュー)。15年のアジアカップで、自身のPK失敗で敗れた因縁の相手でもあるだけに、背番号10は期するものがあるはずだ。
 
 大迫や原口との連係を考えれば、清武を推す声もあるかもしれない。ただ、リーグ戦でのプレーから判断するに、トップコンディションでないのは明らか。「後半勝負になる」(清武)展開に備え、攻撃にアクセントをつけるジョーカー役を任せたいところだ。
 
 左は今や絶対的存在の原口だ。最終予選で4試合連続ゴール中の高い決定力に加え、果敢なプレッシングやプレスバックなど守備面でもチームを牽引するに違いない。
 
 右は2017年に入って1分しかプレーしていない本田が外れ、久保がファーストチョイスになると見た。ヘント移籍後の7試合で5得点とゴールを量産しており、自信を深めている。カウンター狙いのゲームプランなら、スピードを武器とする浅野の線もあるが、試合終盤の相手に疲労が見えてきたタイミングで使うほうがより効果的か。
 
 そしてCFは大迫。レスターで出場機会を増やしている岡崎もいるが、直前のブンデスリーガ・ヘルタ戦で約20メートルのスーパーミドルを決めるなど、心身ともに充実した状態でUAEに乗り込んできた大型ストライカーが、スタメンに名を連ねるだろう。
 対戦するUAEは、MFタレク・アハメドが出場停止、前回対戦でフル出場したMFアメル・アブドゥルラフマンが負傷離脱、さらにゴールゲッターのアハメド・ハリルとFWイスマイール・マタルも怪我で出場が不透明と、厳しい台所事情が前日会見で明らかになった。しかし、“情報戦”の可能性もあるだけに、自分たちのプレーに集中すべきだ。
 
「試合の入りは相手に勢いがあるのは想定できる。後ろは無理に引っかけるようなパスを最初は狙ったりしないことだったり、逆に自分たちが前向きにプレスを掛けられるような状況を作り出せればいいんじゃないかなと思う」(森重)
 
 完全アウェーの雰囲気に飲まれず良い形でゲームに入り、勝負どころを見極めて仕留められるか。勝点3がノルマの一戦で、前回対戦のリベンジをきっちり果たしたいところだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)