故スティーブ・ジョブズ氏も愛した腕時計が35年の時を超えて復刻!セイコーとナノ・ユニバースのコラボモデル「Seiko nano universe Limited Edition Vol.4」を写真とともに紹介【レポート】

故スティーブ・ジョブズ氏が愛用したセイコーシャリオの復刻版を購入してみた!

ナノ・ユニバースとセイコーは10日、コラボレーション企画の第4弾として、1982年に発売された腕時計「セイコーシャリオ」の復刻版「Seiko nano universe Limited Edition Vol.4」を発売しました。

一見するとなんの変哲もない安物時計ですが(失礼!)、これが35年の歳月を経て復刻された背景には、アップルコンピュータ創立者の1人である故スティーブ・ジョブズ氏が関係しています。ジョブズ氏は若かりし頃からこの腕時計を長年愛用し、逝去後に行われた遺品のオークションでは42,500ドル(約480万円)もの価格が付けられたほどです。

今回この復刻モデルを運良く購入することが出来ましたので、ジョブズ氏の逸話や写真とともに紹介したいと思います。


シンプルで素朴。クラシカルなデザインが今の時代には新鮮に感じる


■TIME紙の表紙も飾った腕時計
ジョブズ氏と言えばブランドにこだわらずシンプルなデザインを好むことで有名でしたが、この腕時計もまさにシンプルそのもの。複雑なクロノグラフもなく、派手なデザインが施されたベゼルもありません。当時実売2万円程度だったこのモデルの復刻版も価格は2万円。妙なプレミア価格にしてこなかった点はとても良心的です。

サイズはオリジナルを忠実に再現した33mmと、現在の腕時計の流行を意識した男性向けの37mmの2種。それぞれオリジナルの発売年を記念した1982本限定でセイコー取扱店などで販売されています。

さらにナノ・ユニバース限定モデルとして文字盤がブラックのモデルも用意され、こちらはナノ・ユニバースのオンラインショップなどで33mmモデル、37mmモデルそれぞれ300本限定で販売されています。


精悍さが増すブラックモデル


ジョブズ氏の愛用品の中でもこの腕時計が特に有名になったのは、とある1枚の写真が理由です。それはジョブズ氏が亡くなった月のTIME紙の表紙にも使用された写真です。


時代の寵児となったジョブズ氏を物語る代表的な写真

Time Asia October 17, 2011 (単号)

ジョブズ氏が抱えているのは1984年発売のマッキントッシュ。まだIBM機やそのPC/AT互換機がテキストベースのOS「MS-DOS」などを使っていた時代に、現在のMac OSやWindowsのようなGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)を搭載したことで話題となった機種です。

まさにこのマッキントッシュを開発・発売した当時に使っていた腕時計がシャリオであり、この写真の中でも身に着けています。そして当時からジーンズに黒のシャツというスタイルは変わっておらず、ジョブズ氏がシンプルスタイルに強いこだわりを持っていたことを感じさせてくれます。


オークションに出品されたジョブズ氏のセイコーシャリオ。使い込まれた傷に愛用してきた年月を感じる


■いよいよ開封。気になるシリアルナンバーは……
筆者が購入したのは33mmのホワイトモデル。いわゆる“アップル信者”や“ジョブズ信者”というつもりではありませんが、かつてジョブズ氏が愛した腕時計とはどのようなものだったんだろうかと興味深く思い、できるだけ同じデザインのモデルを購入してみた次第です(この時点で既にジョブズ信者かもしれない)。

外箱は紙製で化粧箱も紙製。正直なところ木製や革製の化粧箱が使われることが多い高級ブランドの腕時計と比較してしまえば「価格なり」のとてもチープなものです。しかしこのモデルだからこそそれで良かったように思います。もしこの腕時計に木製の大仰な化粧箱などが付いていても不釣り合いです。


外箱。ブランドロゴが箔押しされているのみ



ナノ・ユニバースとセイコー、どちらも大衆的なブランドだけにシャリオをコラボモデルに選んだのは正解だろう



化粧箱。質感の良いシボ加工の紙にブランドロゴが箔押しされている



取扱説明書と保証書が同梱


時計は本当にシンプルでカレンダーすらなく、文字も派手さのないオーソドックスなフォントです。本体は5気圧防水でバンドは革製。文字盤に「SEIKO QUARTZ」のロゴが入り、裏蓋には「SEIKO LIMITED EDITION」の文字とシリアルナンバーがレーザー刻印されています。ケースは中国製でムーブメントが日本製です。


本体デザインに合わせ革バンドも細め



丸みのない平坦なベゼルが特徴的。シンプルながらも12時・3時・6時・9時にさり気なく刻まれたドットが全体のバランスを引き締め整えている



革バンドにもセイコーのロゴ



シリアルナンバーは1121だった


さっそく腕につけてみたところ、腕の細い筆者には33mmタイプでちょうど良いと感じました。男性向けの大きな文字盤の腕時計もたくさん所有していますが、どれも筆者には若干大きくあまり似合っていなかっただけに、今回は良い選択だったと思います。


シンプルな腕時計だけに、あまり大きくないほうがオシャレだ


■今のアップルに「シンプルさ」はあるか
この腕時計を購入するにあたり、デザインやブランドに対するジョブズ氏の様々なエピソードを追想していましたが、ジョブズ氏は生前に一貫して「製品はシンプルであること」を主張していたように思います。それはデザインのみならず、使い方から利用シーンまで全てに拘っていた部分でもあり、そのシンプルさへのこだわりがマッキントッシュやiMac、そしてiPhoneといった製品を生み出してきたのではないでしょうか。


iPhone 3GS。今見ても美しいデザインだ


果たして今のアップルにそのようなシンプルさはあるでしょうか。初代iMacを発売した当時、ジョブズ氏は「PCをもっと身近で簡単なものに」と、徹底的に機能や使い方をシンプルにし価格も抑えることで大成功を収めましたが、今のiMacはお世辞にも安いとは言えず、むしろ高級ブランド化しているようにも思われます。OSも様々な機能が追加された結果シンプルさとは程遠い代物になってしまいました。

一方でApple WatchやAirPodsには原点回帰的なシンプルさを見出すことができます。今や世界のトップブランドに成長したアップルがシンプルさを追求することはなかなかに難しいのかもしれません。

決して派手ではなく、高機能でもなく、価格も安い「Seiko nano universe Limited Edition Vol.4」を身に着け、人が使いやすい道具とは何か、製品に本当に求められているものとは何かを考える良い機会を得られた気がしました。


ジョブズ氏が物憂げに見つめていたものは何だったのだろう


記事執筆:あるかでぃあ


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Seiko nano universe Limited Edition(セイコー)