都内で発表された「まとふ」17/18年秋冬コレクション(2017年3月21日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】(更新)ライトアップされた東京タワーを背景に仏教寺院で野外のファッションショー。それは新境地の開拓になるはずだった。雨が激しく降ってくるまでは──。

 50人以上のデザイナーが新作を発表する17/18年秋冬「アマゾン ファッション・ウィーク 東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」の大半は渋谷の味気ないショッピングモールで開催されているが、少なくとも1つのブランドはもっと意義深い会場を目指して果敢に挑んだ。「コム デ ギャルソン(Comme des Garcons)」と「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」の元パタンナーの2人が手掛けるブランド「まとふ(matohu)」だ。

 しかし、期待された美しい春の夜とは裏腹に、雨が「まとふ」のランウエーに降り注いだ。観客は屋根のある通路へと案内され、暖房の前で服を乾かしたり冷えた体を温めたりした。

 雨とドライアイスの煙の中で、16世紀にこの場所に建立された増上寺(Zojoji)も、1950年代に建てられた東京タワーもランウエーからは見えなかった。だが舞台演出は大失敗に終わったとしても、たくさんの日本酒と無料で配られた香りの良い升が悪天候を埋め合わせてくれた。

 まとふのコレクションのテーマは「いき」。17〜19世紀後半の江戸時代の上品で洗練された職人気質を要約する日本の美学「粋」だ。

 まとふの2人のデザイナーのうちの1人、堀畑裕之(Hiroyuki Horihata)は天候を嘆き、第二次世界大戦で唯一焼失しなかった増上寺の門と東京タワーは過去と未来が交錯する場所だと語った。「現代の『粋』はどういうものなのかを提示したかった。増上寺という場所は、過去と未来がちょうどクロッシングする素晴らしい場所でいいなと思った」

 まとふの新作は、ややコンサバティブな日本的な上品さが感じられるものの、コンテンポラリーで着やすいコレクションだった。フラットシューズで子どもを学校に送り届けた後、ヒールのあるミドルブーツに履き替えて会社の役員室に涼しい顔で入ってくる魅力的な母親が着そうな服だ。

 ハイネックのニットやルーズフィットのスカートなどが、美しくカットされたコートや革のペプラムジャケットに合わされ、足元は肌の見えないタイツとひもなしの靴だった。
【翻訳編集】AFPBB News