「一発屋」疑惑のGoPro、新たなコスト削減でコア事業に集中へ

写真拡大

ウェアラブルカメラのGoProに対しては長い間、投資家やアナリストの間で「一発屋」疑惑が浮上していた。同社の株価は過去12か月で3分の1下落し、現在の株価は約8ドル(約902円)。空売りも多く、現在は同社の株の30%が空売りされている。

そんな中、3月15日、GoProは270名の人員削減を行うと発表した。コスト削減策の一環として、この1年間で3度目の取り組みとなる。投資家はこのニュースを歓迎しており、GoProの株価は14%上昇した。

同社は、このコスト削減が新製品の開発や販売に影響することはないと主張している。チャールズ・プローバーCOOはアナリストや投資家に対して「焦点を絞ることで効率を高め、質の高い経営を行っている」と語った。

だがこの主張は信用しない方がいいかもしれない。GoProはIPO(新規株式公開)以来数年にわたり、何度も失敗し続けている。

Hero5カメラは生産が遅れ、主力商品として売り出したドローンのKarmaは飛行中に墜落する報告が続いたことを受け、リコールを余儀なくされた。また、初期モデルのカメラについては2度にわたり値下げを行っている。

こうした失敗は、同社が人材獲得や企業買収、研究開発に多額の費用を投じていたときに起こったものだ。2014年の株式公開以降、営業費用は倍になり、2016年には8億3500万ドル(約941億円)に達していた。2017年にはこれらのコストが4億9500万ドル(約558億円)に削減される見通しだという。

ゴールドマン・サックスのアナリストは次のように指摘している。「コスト削減がハードおよびソフト製品の開発に与える影響はないと同社は主張している。しかし、コスト削減のペースを加速が、そのリスクを高めるおそれがある」

多くのアナリストがGoProに幻滅しているが、中には楽観的な見方を維持している者もいる。「確実な約定が、2017年通年の収益性の回復や成長につながると信じている」と、JPモルガンのアナリストは語る。

「一発屋」疑惑の同社は、幅広い層を取り込むための新製品の開発に苦しんできた。また自社製のカメラで撮影した映像を活用することで、メディアやエンターテインメント会社としての立ち位置を確立しようとしたが、これも失敗。エンターテイメント部門を終了し、メディアチーム30名の半数をリストラした。

急速に進められた一連のコスト削減によって、同社はルーツに立ち戻っている。「コスト削減により、IPO以降展開されてきた非中核事業への支出がなくなっているようだ」と、バークレイズのアナリストは指摘している。

16日の株価上昇から見て取れるように、投資家たちは、積極的にコスト削減を行う同社の姿勢に安心したようだ。前四半期終わりの時点で、GoProのバランスシート上のキャッシュはわずか2億1800万ドル(約245億円)になっていた。こうした状況の中、資金調達をしなくても経営を維持できるということを株主たちに示す必要があった。

だが、GoProが乗り越えるべき課題は多い。レイモンド・ジェームズのアナリストはこう指摘する。「最終的に時価総額を回復させるためには、収益源である製品ラインを安定させ、会社の成長性を証明する必要がある」