Fairlight事例:Sound Design Corporationの場合

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© Frederick M. Brown

Blackmagic Designの発表によると、Sound Design CorporationがFairlight DAWとXynergiコントローラーを使用して、第59回グラミー賞など、主要な賞におけるオーディオの制作を行っているという。過去20年以上、FairlightはSound Design Corporationのオーディオポストおよび放送プロジェクトの配信をサポートしてきた。

創始者であり、CEOでもあるポール・サンドワイス氏が率いるSound DesignCorporationは、12式のXynergi システムを採用。6式は同社のロサンゼルススタジオで日常的に使用され、2式はSound Design Corporationがオーディオ放送設備を構築したTBS(アメリカのテレビチャンネル)のトークショー「Conan」に使用されている。また、Sound Design Corporationは、4式のXynergiシステムをフライパックで使用し、アメリカン・ミュージック・アワード、BETアワード、ビルボード・ミュージック・アワード、アカデミー・オブ・カントリーミュージック、エミー賞、ケネディ・センター名誉賞、ソウル・トレイン・ミュージック・アワードなどの授賞式や特番を収録している。

サンドワイス氏:私たちは、ライブ放送および事前収録した授賞式や特番に先立ち、サウンド、ミュージック、ボイスオーバーをすべてのオーディオパッケージ用にFairlightでミックスし、再生用としてクライアントに納品します。

事前収録の番組や、再放送が予定されているライブ番組、特殊なデリバラブルでは、Fairlightシステムを使用して、イベントをマルチトラック収録およびビデオ収録し、Sound Designで後からショー全体のポスプロを行います。この作業には、ダイアログのクリーンアップ、編集、観客席の音を消す作業、オーディオの改善、バンパー、サウンドエフェクト・デザイン、音楽ミキシングなどが含まれます。こういった授賞式などはトップスターたちが集結し、非常に注目を集めるものなので、デリバラブルもそれにマッチさせる必要があります。信頼性が何より大事で、もちろん失敗など許されません。

Sound Design Corporationは、Fairlightを備えた5つのミキシングスイートを有している。4つのダイアログ専用ルーム、そして音楽ミキシングとボーカル用にFairlightのXE-6フェーダーを備えた1部屋だ。すべての機材はネットワーク接続されているが、これはSound Design Corporationワークフローにとって非常に重要だとサンドワイス氏は言う。

サンドワイス氏:ネットワーク接続されていることで、簡単にファイルのやりとりができます。1つの機械室にはネットワーク接続したXynergiが置かれており、過去の作品のサウンドエフェクトやバックアップファイルなどを誰もが利用できます。私たちはあらゆる年代のテレビ番組を手がけてきており、コンテンツを保存し続ける必要がありますが、Fairlightは数回のクリックでコンテンツにアクセスできます。

Sound Design Corporationのワークフローでは、多くの収録済みのショーを迅速にオンエアする必要があるため、効率性が非常に重要視される。

サンドワイス氏:完全なポスト作業には80時間必要で、納期までに2日しかないとしましょう。この場合、効率的になるしか道はありません。複数のミキシングスイートを駆使して、可能な限り時間を削ります。

深夜番組でさえ、修正作業に小一時間かかります。例えば、「Conan」で使用する部屋の1つでは、Fairlight Xynergiシステムを使用して事前収録したセグメントをミキシングします。これは番組中にビデオエレメントとして再生され、番組全体はFairlightで収録されます。オーディオ修正が必要であれば、Fairlightでミキシング/修正して、その後ビデオエディター用にBroadcast WAVファイルをタイムラインにドロップします。ビデオエディターたちはそのファイルを最終的な編集済みの番組に音戻しをしてアトランタのTBSへ送り、数時間後にはオンエアされるのです。

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Sound Design Corporationにとって、締め切りまでの時間だけでなく、各プロジェクトの納品物の量も課題だという。ネットワークの検閲ガイドラインや時間帯に即した納品、追加の外国語のデリバラブル、ステム納品(部分的な納品)などが求められることも多く、このような場合、1回分のオンエアで80トラックのデリバラブルが追加で必要になることもある。

サンドワイス氏:例えば、複数のダイアログステム、音楽ステム、エフェクトステムなどが必要になります。Fairlightは必要な数のチャンネルをリアルタイムで収録でき、さらにリアルタイムより早くレンダリングすることも可能なので、ネットワーク用の納品に対応できるんです。

オーディオとビデオが同一のシステムにあることは必要不可欠です。その点、Fairlightは常にフレーム、フィールド単位で正確です。リファレンスビデオが適切に準備されていなかった場合、オーディオと映像が同期されるか不安になるでしょう。しかし、Fairlightを使って現場で収録すれば、同期されていると確信が持てます。ショーを収録して、次の朝にはポスト作業を開始できます。ファイルをドラッグしてロードに時間をかける必要はありません。オーディオとビデオはすでにタイムライン上にあります。

デジタルメディアの性質上、モニターでは遅延が頻繁に発生するが、Sound Design CorporationはFairlightの内蔵機能を使用し、ビデオを独立して進める/遅らせることにより遅延を相殺している。

サンドワイス氏:ミキシングの際、モニターが1フィールド、あるいは1フレーム遅れることがありますが、これが積み重なって2〜3フレームの遅延が生じることがあります。すべてのモニターで、遅延は異なります。オーディオは同期したいけど、遅延はあって欲しくない。遅延があるとフェーダーを調整する必要があるからです。その代わりに、Fairelightのビデオ再生アドバンス機能は、何フレーム進めるべきか指示してくれるので、これで完全な同期が可能です。

Sound Design Corporationは、Fairlightの各機能により少しずつ時間の節約を積み重ね、結果、大幅に時間を短縮。テープよりもデジタルファイルでの納品が普及し、機材コントロールの必要性が低下する中、サンドワイス氏と彼のチームはFairlightの統合9ピンコントロール機能を重宝しているという。

サンドワイス氏:9ピンコントロールはあらゆるテープベースの機材と動作するので、これを内蔵しているのは嬉しいですね。コントロール用の特別なステップや設定は必要ありません。キーボードを叩くだけです。テープベースの素材を持ち込んだクライアントに対しても、より多くのソリューションを提供でき、柔軟に対応できます。