「淵に立つ」で主演男優賞、昨年は「岸辺の旅」で助演男優賞を受賞! (c) Asian Film Awards

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 3月21日、香港で開催された第11回アジア・フィルム・アワード。作品賞などにノミネートされた「淵に立つ」で、主演男優賞を受賞した浅野忠信は、授賞式の壇上で「ここに戻ってこられて光栄です」と語ったが、じつは昨年も「岸辺の旅」で助演男優賞を受賞している。受賞者記者会見直後、興奮さめやらぬ中、映画.comが独占で話を聞いた。

 受賞作「淵に立つ」は、昨年5月のカンヌ国際映画祭を皮切りに、国内外で話題を呼んだ作品。ほぼ1年近くをこの作品とともに歩んできたことに「感慨深いですよね。その総括として、アジア・フィルム・アワードに来られたことはとてもうれしいです」と浅野。

 「カンヌから始まり、今も日本で上映が続いている作品だけに、深田晃司監督とともにこの授賞式に来ることができたのは、長い旅をしている気分です。その旅の終わり、しめくくりとしてこの賞をいただけたことは特別なことだと思っています。授賞式中、深田監督が監督賞でノミネートされていたのに受賞を逃してしまったことがくやしかったので、せめて僕が主演男優賞を受けることができたら、と密かに思っていたんですよ(笑)」

 その願いかなっての受賞。しかも、2年連続で俳優が賞を受けたのは、AFA史上初となる快挙。「そうなんですか!? それは重ねてうれしいニュースですね。アジアからたくさんのベテラン俳優達がそろうこの賞で、そんな名誉をいただけて……。無理してでも来た甲斐がありました(笑)」

 久しぶりの連続ドラマがクランクアップしたばかりの彼だが、引き続き多忙を極めており、この日も日帰りという強行軍。授賞式後は分刻みという緊張感の中だったのにもかかわらず、アジア各国のマスコミからの撮影リクエストにも笑顔で応じ、主演女優賞を受賞したファン・ビンビン(「I Am Not Madame Bovary」)とのツーショットも実現した。

 「本当はもっとここにいたいんですが、あいにくスケジュールが詰まってしまって……。さっきは香港のプレスからは「中華料理好きですか?」と質問をされて「中華街がある横浜が地元なので」なんて答えましたが、何も食べる暇なく帰るんですよ(苦笑)」

 最後に、この賞が持つ意味を問うと「『淵に立つ』のような作品にこそ大きな意味がある」と語ってくれた。

 「まだ日本でも公開が続いている作品ですし、これでさらに弾みがつくといいなと思います。また、この受賞によって、まだ上映が決まっていない国へのアピールにもなると思うんです。派手な作品ではないだけに、AFAのような大きな賞を受けることでの影響はとても大きく、可能性の広がりを感じます。主演男優賞の受賞が、その一助になってくれればと願うばかりです」