今週の「女のもやもやセラピー」、テーマは「出会いと別れ」です。中島みゆきの『春なのに』のサビの部分を頭の中でリフレインさせながら、いってみたいと思います。

☆☆☆

春なのにお別れですか。
マイクを握りしめた柏原芳恵に問われるまでもなく、3月はどこもかしこも「卒業」に溢れています。新年度を前に、勤めていた会社を「卒業」する人、契約更新のタイミングで同棲と婚約を解消して彼氏から「卒業」する人。お別れです。春なのに。

学生さんだけでなく、最近は、仕事を辞めることや恋人と別れることを「卒業」と表現する人がやたらと多くなりました。

アイドルでもあるまいし……ですが、「卒業」という言葉は別れのシーンをポジティブに変換してくれます。状況が変化することへの一抹の寂しさや不確かな未来へのそこはかとない不安は漂いますが、まっとうした感と、ネクストステージへの希望。そして、決して自分は不幸なのではなく、別れは自ら下した「敢えての選択」なんだという強い意志。

フリーランスならではなのかもしれませんが、立て続けに3件、「新規の仕事が入ったわけじゃないけど、とりあえず、今の仕事は卒業しようと思んです」と知人のアラサー女性から報告(つまり決定事項)を受けました。「ええ!生活、大丈夫なの?」とこっちがオロオロしてしまいましたが、「楽しくないのにお金のためにしがみついてダラダラ続けていても、人生を消耗するだけなので。新天地へ行けば新しい出会いもありますよね!」と、本人たちは頼もしい。

「これ以上、大切な人生を消耗したくない」という点では、結婚に煮え切らない同棲中彼氏から「卒業」した32歳のA子さんも同様です。

「3年前、私がずっとひとりで住んでいた1Kのマンションに、合コンで知り合った同じ年の彼が転がり込んできた形で始まった同棲でした。この4月で更新になるんですが、私から“もうこの部屋の更新はしない。結婚しないなら別れる”と彼に言ったんです。そしたら、“今は無理”って。前回の更新のときも同じことを言われました。この人は2年後も“今は無理”って言うんだろうなって思ったら、彼から卒業するなら今しかないって」。

部屋自体は気に入っていたものの、「別れるつもりはないとごねる彼を追い出すのは手間だと思って、会社までドア・トゥー・ドアで30分、敷金礼金ゼロの新築物件が見つかったので、引っ越すことに決めました」と拠点を変えて心機一転。「また婚活、始めますよ」と意気込みます。

恋人から「卒業」する人だけでなく、春は結婚生活から「卒業」する人も増えます。厚生労働省の人口動態の調査グラフを見ると、ここ数年、3月はほかの月に比べて5000人ほど離婚が多い。

他人が別れようが離婚しようが、彼氏いない歴を着々と更新している自分には関係ないっすーーと思うことなかれ。要するに、春はパートナーがいない人が、ほかの季節よりも増えるということです。下品な言い方ですが、市場に出回る数が増えるということ。これはチャンスです。

と言ったら、「ほかの人から三行半を突き付けられた人なんていらない」と絶賛婚活中のアラサー女性は不貞腐れていましたが、合う合わないは人それぞれ。それに、人生長く生きていれば、誰だっていくつかの出会いや別れは経験するものです。アラサー越えで手垢のついていない真っ新な相手を探すのは、プールの中に落とした雫をすくい出すくらい難しい。無理ゲーです。バツイチとて、DV・借金・自身の浮気及び不倫が原因でない限り、対象内としたいところです。残り物には福があるということわざもありますし。ん?ちょっと違うかな。

いずれにしても、玉数としては、年間至上最大のチャンスともいえる春。ぜひとも生かそうではありませんか。

そこでくれぐれも気を付けたいのが、「ターゲット未設定の愛され女子テク」の放出です。

Suits-Womanで好評連載中の『恋愛塾』もしかり、私たちは恋愛マニュアルが大好き。「彼から愛される方法」や「手放したくないと思われる女性の条件」といったタイトルの記事を見ると、条件反射でクリックするので、一般的にどんな女性が男性にモテるかはたいがいわかっています。

男性のプライドを傷つけず、身の回りの世話をかいがいしくしながらも、束縛しない。
全てがこれに集約されるといってもいいでしょう。

「ああ、なんて都合のいい女なのかしら。あたしだってそんな女がいたら付き合いたいわ」と思う一方で、「そんなこたぁ、やろうと思えばいつでもできる」と思っているし、実際、「さー婚活ですわよ!」って気分のときにはやっています。なのに、うまくいかない。結婚までたどり着けない。プロポーズされない。
それは、ターゲットが定まっていないからです。

うまくいかない人は、「地道に頑張ってれば、それに気づいたステキな人が白い馬に乗ってやってくる」と思いがちです。

確かに、「気づいてやってくる」人はいるんです。だから勘違いしてしまうってこともあるんですが、「やってくる」のは、まだしばらくは適当に遊びたい気分の独身男性だったり、恋愛気分を味わいたい既婚者だったり。こっちが求める「ステキ」が欠落している男性です。なぜかというと、「男性のプライドを傷つけず、身の回りの世話をかいがいしくしながらも、束縛しない女性」は嫌う理由がないからです。とはいえ、「絶対的に結婚したい唯一無二の人」の要素にはならない。デフォルト設定みたいなものなんです。

運命の赤い糸は、誰かと繋がっているはずなんだけどなぁ。

だから、「愛されテク」で武装して準備万端、誰かしらやってくる中から選べばいいっていう考えじゃダメなんです。クズしか寄ってこないから。そりゃ、花は自分からミツバチに寄っていきませんけど、私たちは人間です。ターゲットを設定しないと、どうしょうもないミツバチにばっかり見つけられて、蜜を吸われ続け、そして枯れていく。それこそ「人生の消耗」です。 その2 に続く。