ゲストさんログイン

ウェブ検索

最新ニュース! クリックするほどよく分かる

livedoor ニュース

今週のお役立ち情報

英国に住むパキスタン系移民について

英国に住むパキスタン系移民について
英ウエストヨークシャー州にあるモスク、2004年8月撮影(撮影:竹村真理子、資料写真)
【PJ 2005年07月15日】− 今月7日にロンドンで起きた爆発事件の実行容疑者がウエストヨークシャー州出身のパキスタン系英国人である、と聞いて驚きを隠せない。つい最近までこの地域に在住し、パキスタン系移民について勉強してきたこともあり、英国内のパキスタン系移民を取り巻く状況について、書いてみたい。

英国の中のパキスタン系移民
 そもそも、英国のパキスタン系移民をめぐる問題の根源は、英連邦の植民地主義にある。パキスタンでは、1947年に英連邦から独立して以来、自国の内政不安定が続き、多くのパキスタン人が旧宗主国である英国へ移住した。なかでも、繊維工業が盛んであり、雇用の機会の多いウエストヨークシャー州は、彼らにとって魅力的な場所であった。1970年代に入り、繊維工業が衰えても、血縁などを頼りに移住してくるパキスタン人は絶えなかった。サービス産業が経済の中心となった現在も、リーズ市、ブラッドフォード市といったウエストヨークシャーの中心都市では、ウルドゥー語が飛び交い、パキスタン系飲食店やモスクが他の都市よりも多く見られる。

 英国内のパキスタン系移民は、こうして数の上では増え続ける一方で、非常に厳しい状況におかれている。言語・教育・宗教上の制約によって、彼らは労働市場から実質的に締め出され、また、学校教育においても、児童生徒の学業成績は大幅に下回っている。

イギリス社会とイスラム教
 さらには、近年、パキスタン系移民の宗教であるイスラム教のイギリス社会でのあり方がもっぱら議論されている。イスラム教には、お祈りの時間、イスラム休日(金曜日)の施行、ハラール・ミート(イスラム式処理の食肉)、スカーフの着用など、独自の慣行が多く存在する。こうした独自の慣行を、いかに維持するのか、また、維持できるのか、議論されている。一部のイギリス人は、イスラム教の慣行が国内に存在することを容認できずに、彼らに、こうした宗教的習慣を完全に捨て、イギリス人と同化し、英国の伝統習慣に従うように求めている。

 特に、911事件以降、世界的にイスラム教徒に対する風当たりが強くなったが、英国内でも、パキスタン系移民に対する見方は厳しくなり、移民排斥の主張が高まっている。他方、パキスタン系移民は、イスラム教への固執を強め、年々、イスラム教の習慣を厳格に守る人が増えている。

難航する平和的共存への取組み
 こうした事態を受けて、英国内では、宗教指導者やボランティアなどが中心となり、宗教の正しい理解を促し、平和的共存を招くために、さまざまな取組みが行われている。キリスト教の教会でイスラム教の指導者が説教をしたり、学校で多文化・宗教理解の時間が作られたりしているが、国内外での宗教をめぐる事件や議論に左右され、なかなか難航しているようである。

 今回の事件の容疑者が英国籍のパキスタン系移民であったことは、英国が抱える宗教の問題をさらに浮き彫りにしたかもしれない。しかし、過激派イスラム教徒は英国に在住するイスラム教徒の一部にすぎないことを念頭に、イギリス社会には、自国の植民地政策の名残りである移民問題に積極的に取り組み、平和的共存の道を歩んでほしい。

 そして、二度と今回のような事件が起こらないことを祈ってやまない。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 【 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
コメントするにはログインが必要です
ログインしてください
投稿

前後の記事

PJオピニオンアクセスランキング

注目の情報
この石けん、なぜ、体臭に良い?
今、この石けんが男性中心に、通販で15万個も売れている。なんでも
体臭に良いらしく、さらに売れ続けていると。そこで早速、私も試して
みると…凄い!


その秘密とは>>