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敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は、世界最大の語学学習アプリ、Duolingo(デュオリンゴ)を開発・運営するDuolingo社でシニアソフトウェアエンジニアを務める日本人、嶋英樹(しま・ひでき)さんの仕事術をご紹介します。

世界で1億5千万人ものユーザーを誇る語学学習アプリのDuolingo。日本ではまだ馴染みのない方も多いかもしれませんが、Apple社が選ぶ「年間ベストアプリ賞」(2013年)に選ばれ、学習効果も研究で実証されています。

嶋さんはソフトウェアエンジニアとして仕事をされていますが、機械学習や自然言語処理の専門家でもあり、Duolingoで働く前はIBMワトソン研究所で当時は秘密プロジェクトだった質問応答人工知能「ワトソン」の研究開発にも携わったことがある方です。そんな嶋さんは、現在Duolingoで働く数少ない日本人として活躍しています。普段の仕事ではいったいどんな働き方をしているのでしょうか?

嶋英樹(しま・ひでき)

1981年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、渡米。米カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学部にて博士号取得。現在、世界で1億5千万人に使われている言語学習アプリ「Duolingo」を開発する、Duolingo社のシニアソフトウェアエンジニア。Duolingo以前には、Yahoo! Labsにて自然言語処理プロジェクト、IBMワトソン研にて後にクイズ王に勝利する初期のIBMワトソンの研究開発にも携わる。

居住地:米国ピッツバーグ
現在の職業:ソフトウェアエンジニア
仕事の仕方を一言で言うと:楽しむ
現在の携帯端末:Nexus 6
現在のPC:Macbook Pro

1. 「これがないと生きられない」アプリ/ソフト/道具は何ですか?


Eclipse、Git、Github、Gmail、Google Calendar、Google Chrome、Google Data Studio、Google Docs、Gyazo、Mixpanel、Slack、Sublime Text、Zoom あたりは毎日使うので、突然なくなると少し困ります。生きられないというほどでもないかもしれませんが。


2. 仕事場はどのような環境ですか?



上の写真の範囲に、ほぼ全社員のデスクがあります。5割がエンジニアで、2割がデザイナーとプロダクトに関わる人が多く、出身は20カ国以上と多国籍。オフィス内にはキックスケーターやホバーボードで移動してる人がいたり、犬が歩いていたりして、アットホームな感じです。


3. お気に入りの時間節約術は何ですか?


1. SNSは1日3分まで。
2. タスクは低い人手コストで回るよう工夫する。
3. どうでもいい細部にこだわりすぎない(もともと凝り性なので......)。
4. 愛用している、仕事をうまく進行させるためのツール(ToDoリスト、アプリ、道具など)はありますか?


4. 愛用している、仕事をうまく進行させるためのツール(ToDoリスト、アプリ、道具など)はありますか?


ToDoリストはテキストファイルに箇条書きにして、終わったものから☓をつけていっています。

終わったタスクは週ごとにまとめておくと、ミーティングなどでの進捗報告が楽です。いろいろなToDo管理ソフトも試したのですが、結局このシンプルな方法に辿り着きました。


5. 携帯電話とPC以外で「これは必須」のガジェットはありますか?


ガジェットではないのですが、米GoogleのやってるMVNOサービス「Project Fi」は手放せないです。格安なので毎月30ドルぐらいしかかかっていません。しかも、国外に持っていっても手続きなしで使えて、通話・データが格安のままなんです。


6. 仕事中、どんな音楽を聞いていますか?


たまに聞く時は、90年代のアーティスト(Joe Satriani、311、Red Hot Chili Peppersなど)の曲が多いですね。Spotifyの「ラジオ」機能で聞いてます。


7. 仕事において役に立った本、効果的だった本は何ですか?


『ご冗談でしょう、ファインマンさん』。好奇心の塊で、既存の観念にとらわれない、自由奔放すぎる物理学者の話です。スタートアップは前例のないことばかりするので、こういう性格の人は向いてるかもしれません!

Push
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

1,188円

8. 現在、どんな本を読んでいますか?


本は最近ほとんど読んでないです。ウェブサイトだとWikipediaやQuoraあたりは読みます。ポッドキャストでは最近StartUpという番組を聞き始めました。


9. 睡眠習慣はどのようなものですか?


1時〜6時。


10. 仕事をよりよく進めるために「習慣」にしていることはありますか?


目標と進捗を社内の誰にでも見られるように公開して、ある意味いいプレッシャーを与えています。

具体的にはアプリやサイトの解析ツール(Mixpanelなど)からGoogle Apps Scriptでデータを自動的に取ってきてGoogle Sheetsに入れておき、Google Data Studioで読み込んで可視化し、複数のOKR(目標と主な結果)の達成具合がひと目で見られるようにしています。

以前、趣味のランニングで最大月間400kmぐらい走っていた頃があったんですが、その頃もブログで目標を宣言したりして自分にプレッシャーを与え、モチベーション維持をしていました。


11. いまお答えいただいている質問を、あなたがしてみたい相手はいますか?(なぜ、その人ですか?)


早稲田大学ビジネススクール・入山章栄先生。

株式会社ソラコム・玉川憲社長。

カーネギーメロン大学言語技術研究所・グラム・ニュービッグ先生。

みなさん超多忙の中ご家族も大切にされていて、ワークライフバランスの秘訣があるに違いないからです。


12. これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください。


以下ベスト3です。

「素人発想、玄人実行」 ―― 金出武雄

「早すぎる最適化は諸悪の根源である。」("Premature optimization is the root of all evil.") ―― Don Knuth

「完璧を目指すよりまず終わらせろ」("Done is better than perfect.") ―― Facebook社是


13. 最近購入したものの中から、特に気に入っているものがあれば教えてください。


Google HomeとChromecastの組み合わせです。喋るだけで好きなYoutube動画をテレビに流せるので、子どものほうが喜んでいます(笑)。


14. 最後に、アメリカでソフトウェアエンジニアになる方法を教えてください。


外資系企業の社内転籍という道はよくあるようで、ツイッターなどで探すと情報が手に入るかもしれません。

私の周りではアメリカの大学院を経てソフトウェアエンジニアになった外国人が非常に多いです。日本人も、絶対数が少ないですがちらほらいます。PhDプログラムだと学費が無料で生活費支給のところも多いですし、日本の海外留学奨学金も充実してきているようです。大学院留学については手前味噌ですが、「理系大学院留学―アメリカで実現する研究者への道」という本も多少参考になると思います(10ページほど書かせて頂きました)。


(ライフハッカー[日本版]編集部)