ブンデスリーガ(対バイエルン戦)で負傷した長谷部誠ハリルホジッチは、所属のフランクフルトが「手術をする」と発表したにもかかわらず、UAE戦の舞台となるアルアインに呼び寄せるらしい。彼を雇っているのはフランクフルトだ。やり過ぎだと思う。横車を押したくなるほど重要な選手なのだろうが、無理なものは無理。UAE戦には代わりの選手を起用しなくてはならない。

 長谷部と山口蛍。順当なら守備的MFの先発は、この2人だったはずだ。しかし2人の相性はイマイチ。僕はそう見ている。簡単に言えば、2人とも守備的な色合いが強すぎるからだ。

年齢とともにプレイのエリアが下がっている長谷部。山口もどちらかと言えば守り屋だ。長谷部を絶対的な存在だとすれば、もう1人は多少、攻撃的であった方がいい。4−2−3−1の3のラインと円滑に絡める選手でないと、中盤は攻める人と守る人に2分される。守備的MFの所で組み立てに入るのが今日的サッカーだとすれば、長谷部、山口のコンビには若干、古めかしさを感じる。

 長谷部が絶対的な存在なら、山口よりゲームメーカー的なセンスを持った大島僚太(予備登録されているらしいが)の方が相性はいい。かねがね、そう考えていたが、今回のメンバーに照らせば、ハリルホジッチが監督になって初めて招集された高萩洋次郎になる。とはいえ、ハリルホジッチは、その記者会見の席上で、「一度、手元に置いて見てみたい選手と」と、今回は高萩の起用に特段、積極的ではない台詞を吐いていた。
 
 だが、長谷部が使えないとなると話は一変する。山口は絶対的な存在なのか。ここの所から揺らいでくる。仮にそうだとすれば、コンビを組む相手は誰が適任なのか。
 
 最も推したいのは今野泰幸だ。ハリルホジッチは、彼を久々に選んだ理由について「経験」を一番に挙げたが、それなしでも、純粋に実力で起用したい選手になる。

 ボールを奪う力。よく言われるのはこれだが、その後のプレイもよい。以前にも記したと思うが、連想するのは、元ブラジル代表の名ボランチ、マウロ・シウバだ。奪う力、寄せる力。奪ってから、進んでいく方向に間違いがないのだ。

肩幅の広い姿、形も似ている。ガンバ大阪でコンビを組む遠藤保仁とは異なるセンスの持ち主だ。体力的な衰えもない。相手ゴール前での強さもある。日本代表の今後を考えれば、34歳のベテランはできれば使いたくないが、33歳の長谷部が使えないのであれば、仕方がない。

 ハリルホジッチが今野をどう見ているか定かではないが、今野を軸に考えると、コンビを組む相手の適性も変わってくる。山口ではない。山口と相性がいいのは、高萩、大島のようなゲームメーカータイプだ。

 だが、山口をスタメンから外せば、守備的MF2人は前回から総取っ替えになる。山口は残さざるを得ない選手になる。相性はイマイチでも、チームのバタつきを恐れれば、山口、今野が先発のコンビとして浮かび上がる。

 ハリルホジッチが採用する布陣が4−2−3−1ひとつしかないことも、守備的MFのメンバー構成を難しくしている理由のひとつだ。守備的MF1枚(アンカー)の4−3−3を併用していたなら、話はもっとシンプルになる。

 4−3−3と言えば、思い出すのはアギーレジャパンだ。この4−3−3は、マイボールに転じると、守備的MF(アンカー)の長谷部が、両センターバックの間付近まで下がり、それに呼応するように両サイドバックが一列高い位置に上がる仕組みになっていた。つまり、4−3−3は3−4−3に変形した。

 長谷部は守備的MFと言うよりもリベロに近く、そしてそれは、彼の適性にピタリとマッチしているように見えた。長谷部を外せない絶対的な選手と考えるならば、アギーレ型4−3−3にもトライすべしと言いたくなる。