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by frank mckenna

3月20日は「国際幸福デー」ということで、国連が「世界幸福度報告(World Happiness Report)」の2017年度版を発表しました。幸福度上位の国には入れ替わりがあり、日本は2016年度よりもランクがアップしています。

World Happiness Report 2017

(PDFファイル)http://worldhappiness.report/wp-content/uploads/sites/2/2017/03/HR17_3-20-17.pdf

Happiness report: Norway is the happiest place on Earth - BBC News

http://www.bbc.com/news/world-39325206



国連の「World Happiness Report」は2012年に初めて実施されたもので、主にアンケートを用いて150カ国以上、各国約3000人の人々に、自分の人生を10段階評価してもらうという調査方法が取られています。ちなみに、この時の質問は「最下部に0、最上部に10と書かれた階段を想像してください。階段の最上部があなたの人生にとって最良の場所、最下部があなたの人生にとって最低の場所を表しているとしたら、あなたは今どの階段のステップに立っていると思いますか?」というものでした。

2017年のトップ10カ国は2016年のランキングの面々と同じですが、順位に入れ替わりがありました。2016年は1位から順にデンマーク・スイス・アイスランド・ノルウェーとなっていたものが、2017年にはノルウェーが1位に躍り出ています。

上位10カ国のランキングは以下の通り。上位はヨーロッパ諸国と北アメリカ(カナダ)が独占する形に。なお、括弧内は質問に対して解答されたステップの数の平均値となっています。

1位:ノルウェー(7.537)

2位:デンマーク(7.522)

3位:アイスランド(7.504)

4位:スイス(7.494)

5位:フィンランド(7.469)

6位:オランダ(7.377)

7位:カナダ(7.316)

8位:ニュージーランド(7.314)

9位:オーストラリア(7.284)

10位:スウェーデン(7.284)

下位10カ国のランキングは以下のような形になりました。サハラ砂漠以南のサブサハラアフリカや紛争地域、食糧不足のあった地域が名を連ねています。

146位:イエメン(3.593)

147位:南スーダン(3.591)

148位:リベリア(3.5933)

149位:ギニア(3.507)

150位:トーゴ(3.495)

151位:ルワンダ(3.471)

152位:シリア(3.462)

153位:タンザニア(3.349)

154位:ブルンジ(3.905)

155位:中央アフリカ共和国(3.693)

日本は上位10カ国、下位10カ国のどちらにも入っておらず、51位で値は5.920。2016年は53位だったので、2ランクアップしています。ランキングのグラフは7つのセグメントに分かれており、うち6つは「人口あたりGDP(水色)」「社会的支援(黄色)」「健康寿命(赤)」「人生選択の自由度(青)」「寛大さ(緑)」「政府や企業の腐敗といった信頼・裏切りのなさ(紫)」を示し、過去の調査から求められた最低値を示す架空の国「ディストピア」と比較されています。7つ目のセグメント(灰色)は他の6セグメントをカバーするもので、ディストピアの示す最低値(1.85)と2014年〜2016年の調査で出た各国の残余値を足した値となっており、各国の評価における価値観の違いを反映しています。



灰色のセグメントは、国連のモデルでは説明されない部分を示しているとのことですが、日本のグラフを見てみたところ、灰色の部分が前後の国々よりも少なく、他6つのセグメントの合計は比較的高いものとなっていました。日本のほかアジアではシンガポールが26位、タイが32位、台湾が33位、韓国が56位、中国が79位でした。

レポートには「America's crisis(アメリカの危機)」という項目があり、経済は発展しているにも関わらず、なぜアメリカのランキングが下がっているのか?ということが示されています。これは一言で表すと、アメリカの危機が「経済危機」ではなく「社会の危機」であるため。経済状況は発展していても、孤独や格差といった要素の値が増えることで、幸福度合いが下がっているわけです。トランプ大統領の就任によって、トップ企業や人の税金が優遇され、ヘルスケアに対する予算がカットされようとしていることも、今回のランキングに大きく関わったとレポートに携わったJeffrey Sachs氏は見ています。

また、レポートは上位4カ国は社会福祉や自由の度合いなど、幸福を作る全ての要因において高評価だったことも指摘。上位の国々、特にデンマークには「Hygge」と呼ばれる価値観があり、「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」という要素が共通しているとBBCは記しています。

なお、アメリカの世論調査会社「ギャラップ・インターナショナル」とスイスの「WIN」が毎年発表している「純粋幸福度」を測る「世界幸福度ランキング2017」では1位がフィジー、2位がフィリピン・中国、4位がベトナム・インドネシアと続き、日本は25位でした。

最新版「世界幸福度ランキング2017」の結果発表! ダントツの1位に輝いたのは? | 永崎裕麻

http://www.huffingtonpost.jp/yuma-nagasaki/world-happiness-survey-2017_b_13964526.html