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 「パルプ・フィクション」をはじめとするクエンティン・タランティーノ作品や「ジュラシック・パーク」「ダイ・ハード3」「スター・ウォーズ」「アベンジャーズ」……ハリウッドきっての名バイプレイヤー、サミュエル・L・ジャクソンが最新出演作「キングコング 髑髏島の巨神」を引っさげて来日。映画.comのインタビューに応じ、怪獣映画の新境地を開いた本作について語った。

 「GODZILLA ゴジラ」の製作陣が再結集し、猿王キングコングの起源を描くアドベンチャー大作。未開の島・髑髏島(どくろとう)を訪れた調査遠征隊が、コングをはじめ島に巣食う巨大生物たちと遭遇し、絶体絶命の危機にさらされる。ジャクソンは、隊を統率するアメリカ軍人パッカードに扮し、コングに部下を殺されて狂気に染まる鬼軍曹を熱演している。

 数々の映画を成功に導いてきたジャクソンだが「今回はなにせキングコング映画だからね、責任重大だったよ。スケール感においても刺激という意味でも過去作品と遜色ないものにしなければならないと思っていた」と重圧を感じていたという。それだけに、作品の仕上がりには絶対の自信をみなぎらせ「期待に十分応える出来にはなっていると思う。ベテランの役者がそろっているからお互いにちゃんとした演技ができたし、怪獣たちに関しても、長年語り継がれるであろう映像になっているはずだよ」と力強く語った。

 「この島で、人類は最弱。」というキャッチコピーが印象的だが、自身が演じたパッカードは「人間の力を信じている」キャラクターだという。「生き物には、人間よりでかくて強くて素早いものがいくらでもいる。だが、人間は英知でそれらを手なづけられる。彼は、(怪獣たちであっても)打ち負かせられると思っている男なんだ」というジャクソンの言葉通り、部下たちが血相を変えて逃げ出すなか、パッカードだけが面と向かってコングに立ち向かっていくさまは“人類代表”にふさわしい雄雄しさだ。「本作はベトナム戦争の終えんを描いていて、パッカードは自分の中ではあきらめていないのに(国に)引き上げろと言われてしまったんだ。そこにこの任務がやってきて、ひと花咲かせるチャンスと思いきや、コングにやられて部下の半数を失ってしまう。パッカードは、これはまた戦争がおっ始まったぞ、今回は負けないぞと思うわけだ」とキャラクターの内面を考察。お気に入りのシーンに「ヘリコプターが墜落して、パッカードがコングと目を合わせるシーンだね。“どっちかがどっちかを殺すぞ”という意志が感じられる」と両者がにらみ合う場面を挙げた。

 本作ではロケ撮影にこだわり、実際にジャングルの中でも撮影を敢行。「(ジョーダン・ボート=ロバーツ)監督って結構気まぐれで、『あそこに虫がいる!』って撮りに行ってしまって、『あいつどこに行ったんだ』『虫を撮りに行ったみたいだよ』なんてこともあったんだ(笑)」と述懐したジャクソンは「カメラ技術が発達したことで、テイクも長く撮られてしまう。フィルムを替えないといけないということもなくなったから『カット』って言ってもまたすぐ回し始めたりする。結構そういったところは大変だったね。そんな状況に加えて、竹やぶの中を歩いたり登山したり、草がぼうぼうと生えていて、虫もたくさんいる状態だった。僕たちは軍人じゃなく俳優だからね! かなり疲れたんだが、その疲れ具合がいい感じに表情に出ていてね。慣れない環境でやる疲弊感が映画としては功を奏しているんだ」と豪快に笑い飛ばした。

 ジャクソンのタフぶりがうかがえるエピソードだが、日本では本作を含めて出演作4作が立て続けに公開し、八面六臂(ぴ)の活躍を見せている。最後に、ジャクソンにモチベーションを保ち続ける秘けつを聞くと「やっぱり楽しいんだ。役者って素晴らしい職業だし、僕は芝居をするのが好きなんだ。画家が絵を描き、小説家が文章を書くのと同じように、芝居をするんだよ」と実に鉄人らしい答えが返ってきた。

 「キングコング 髑髏島の巨神」は、3月25日から全国公開。