血液型は、生まれた後に変わることがある!?

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執筆:井上 愛子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ


「生まれた時に言われた血液型が、後から変わった」という話を聞いたことがありますか?

まさか!と思うかもしれませんが、実は検査のタイミングなどによってはあり得る話です。

なぜそのようなことが起こるのでしょうか?

詳しくご説明していきましょう。

血液型はどう決まる?

血液型と言えば、一般的に「ABO式血液型」が知られていますが、実はそれ以外にもさまざまな分類方法あります。

その数はおよそ300種類ともいわれていますが、今回は最も有名で輸血などの際にも確認が必要不可欠なABO式血液型(以下、血液型と表記します)についてお伝えしましょう。

血液型は、採血を行い「オモテ試験」「ウラ試験」と呼ばれる2種類の検査をすることで確定されます。

オモテ試験

赤血球の膜上にあるA抗原(こうげん)とB抗原の有無を調べるものです。

A抗原だけある場合はA型、B抗原だけある場合はB型、両方あればAB型、どちらもなければO型、となります。

ウラ試験

血液の液体部分である血漿(けっしょう)の成分に含まれるA抗体(こうたい)とB抗体の有無を調べます。

A型の人にはB抗体が、B型の人にはA抗体があり、O型の人は両方の抗体を持ちますが、AB型の人にはどちらの抗体もありません。

基本的には、この2種類の検査を併せて行うことによって、確実な血液型が判定されます。

新生児の血液型

このようにして判定される血液型ですが、実は、より正確に判定するためには4歳以上になってから調べることが望ましいと言われています。

生後まもない赤ちゃんは、まだ抗体が作られておらず、母親から抗体が移行している場合もあるため、調べる場合はオモテ試験のみ行います。

ただし、新生児はオモテ試験で調べる抗原の強さもまだ十分ではなく、大人並みになるのは2〜4歳と考えられています。

そのため、新生児にオモテ試験を行ったとしても、実際と異なる結果が出てしまう可能性が否定しきれないのです。

「生まれた時に言われた血液型が、後から変わった」という人は、何かのきっかけで本当に血液型が変わってしまったのではなく、新生児の時の抗原がまだ弱く、判定結果が実際と異なっていた可能性が高いと言えるでしょう。

以前は新生児の血液型を調べることが主流でした。この頃ではこういった現状から、検査の必要性や親の希望がなければ、急いで判定しない病院が多くなっています。

正しい血液型を知るには

このような話を聞くと、新生児の時以来血液型を調べていない人は、「もしも急に輸血が必要になって、違っていたらどうしよう…」と不安に感じるかもしれません。


しかし、手術や事故などにより病院で輸血を行う際は、必ず改めて検査を行うので、心配する必要はありません。

そのため、仮に自分が思っている血液型と本当の血液型が異なっていても、リスクは少ないと言えるでしょう。

ただし、どうしても正しい血液型を知っておきたい人は、自費となりますが、病院で検査をしてもらうこともできます。

より正確な判定を知りたい場合は、4歳以上になってからをめやすに調べることをおすすめします。


<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供