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東京大学は21日、焼津水産化学工業との共同研究の結果として、昆布などの褐藻類のほか、ヒト母乳中にも存在する“フコース”が、高カロリー食の摂取による肥満を抑制することを発表した。

この成果は、東京大学 大学院 農学生命科学研究科 修士課程 伊東美保氏、苑暁氏、潮秀樹教授、焼津水産化学工業 開発本部 相澤光輝氏らの研究グループによるもので、3月18日〜20日にかけて開催される学会「日本農芸化学会2017年度大会」にて発表された。

同研究では、高カロリー食によって肥満させたマウスに対するフコースの影響および、フコースがマウス脂肪細胞に及ぼす影響について検討した。マウスに高カロリー食と共に各種濃度でフコースを摂取させたところ、対照群と比べて0.01および0.1%フコース投与群で、有意に体重増加が抑制された。

また、肝脂肪量には有意な差は認められなかったものの、9日および25日目に内臓脂肪量の有意な低下が認められた。さらに、マウスにフコースを経口投与し、24時間後に肝臓のトランスクリプトーム解析をした結果、複数の脂質代謝関連因子の発現が有意に変動していることから、遺伝子発現レベルでも脂質蓄積の抑制および脂質異化の促進が裏付けられた。

続いて行ったマウス脂肪細胞を用いた試験では、前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞への分化がフコースによって遅延されることが判明。また、成熟した脂肪細胞にフコースを投与すると、脂質の異化が促進された。これらのことから、同グループは、フコースは脂質の代謝を制御して、内臓脂肪の増加を主因とする体重増加を抑制するとしている。

(杉浦志保)