匂いのキツい百合はNG(depositphotos.com)

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 『愛をこめて花束を』はSuperfly、『花束を君に』は宇多田ヒカルの大ヒット曲――。

 この2曲がもたらす経済効果の試算はないが、誰かへの贈り物を選ぶ際にふと、これらの歌詞が思い浮かび「花束」に決めたという人も少なくはないだろう。

 母の日に、知人の誕生日に、渡しそびれていたお祝い品の代用サプライズとして、あるいは急に飛び込んできた入院報のお見舞い時に――ひさしぶりに花屋さんに足を運び、じぶんでチョイスする愉しさのお裾分けを受けた、なんて方もおられるだろう。

 だが、お見舞い用の花束に関しては「礼儀」上の「規則」があることをあなたはご存じだろうか。

 まず第一に、肝心な花の種類選びに関して。個室か相部屋を問わず、あまり「匂いのキツいもの(百合など)は選ばない」という基本はよく知られている。菊や小菊の類いは、葬儀の情景を連想させるので選ばないのは常識だろう。

NG花の理由はご存じ?

 また、ロマンチックな響きを放つシクラメンも縁起上、適切でないことをご存じの方はどれくらいおられるだろうか。

 これは語呂の問題で「シ」が死を、「ク」が苦を、思い起こさせるためにNG。同じく縁起の悪さでNGが「椿」で、こちらはその朽ち方(花の散り際)が「首から落ちる」のでシャレにならないそうだ。

 また、バラに代表される「真っ赤な花」の部類も「血」を連想させるので見舞い時のチョイスとしては避けたいものだ。

 NG項目はまだまだあって、贈られた側が花瓶(=落して割れるリスクを伴う)を必要とするような花の選択は非常識、そのての花は細菌の繁殖もしやすいというWリスクも有している。

 ならばと思っても、ご存じのとおり、鉢植えは「根つく(寝つく)」を連想させる――日本人のおもてなし(規則)にはなかなかに細かい配慮が必要だ。

 お見舞い品というデリケートな案件の場合、そのチョイスは贈る用途を選択の達人(プロの花屋さん)に告げて選んでもらうのが無難だろう。

 いや、たとえ見舞い品といえどもそこはやはり、じぶん自身の選択眼(センス)も含めて贈る相手に伝えたいもの。関係が深く、大切な人であればなおさらに――できれば枯れてしまう花を贈るよりも、直接伺えない代わりになにか素敵な、洒落たお見舞い品はないものだろうか?
 
患者自身が品選びする時代へ

 そんな想いを抱きながら実際はプレゼント選びに出かける時間さえもない多忙人、気持ちばかりが先行して迷って決められない優柔不断派、あるいはじぶん自身も入院体験を有し「もらっても実は困惑した」「とはいうものの、じぶんが選ぶ側に回ったら何を贈るかは迷う」という方もいるだろう。

 そんな方々にお勧めしたいのが、患者・家族支援団体(一般社団法人CAN net)が作成し、送られたカタログのなかから患者自身が欲しいアイテムを選んで取り寄せられる「ギフトブック」の存在だ。

 しかも、このお見舞い品ギフトブック、水彩画で描かれた『クマの郵便屋さん』という全29頁の絵本仕様と装丁も演出もなかなか洒落たアイテム集(価格:5800円/送料込み)。

 嫌味がなく、贈られた側の笑みが思い浮かぶような出来栄えだ。現状の掲載アイテムは50品目前後だが、その選定に関しては70人ほどの入院経験者や医療関係者への調査結果や声々が反映されている。

 それだけに「贈られて困りそうなもの」は当然省かれており、あくまでも「患者目線」で配慮の行き届いたアイテムが掲載されている。

 一例が「ウエットスーツ素材で作られた湯たんぽ」で筐体もアザラシ形と思わず表情が緩む遊び心に富み、入院という非常時における便利グッズとして喜ばれるコト、受け合いだ。

 がん患者の必需品といえば頭部を覆う脱毛用の帽子だが、話題の厳選カタログには「布地がソフトで(脱毛時にも)肌に優しい」帽子が掲載されている。

 また、「毛糸で作る人形」の手芸セットなどは時間がありあまる患者に喜ばれるだろうし、「季節の香りを楽しめる」お茶も外に出られない入院生活中の気分転換に最適だろう。

 CAN netのHPを閲覧すると現在も引き続き、「入院・療養を経験された方」や「(その)家族や友人」「医療や介護・福祉関係者」の参考意見を募集中だ。

さらにものづくりをしている個人や企業、豊富なアイテムを扱う小売店や卸売店からも自薦・他薦の役立ちグッズを求めており、その掲載料も無料を謳っている。

 そんな姿勢からも今後、さらなる厳選カタログの充実化をめざす同団体の意思が汲みとれる。冠婚葬祭や新聞勧誘の景品選びとしてもおなじみのギフトブック、その見舞い品版カタログはこれからのトレンドとなることは間違いだろう。
(文=編集部)