ともに回ってきたチャンスを活かして出場機会の増やすことに成功した岡崎(左)と吉田(右)。UAE戦でも頼れる存在になるはずだ。 (C) Getty Images

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 3月16日にUAEとタイと対戦する日本代表の招集メンバーを発表したヴァイッド・ハリルホジッチ監督。25名のメンバーのうち、欧州海外組は15人が名を連ねた(3月20日に長谷部誠が怪我で離脱)。
 
 本田圭佑や長友佑都などクラブで出場機会を失っている選手の招集が物議を醸すなかで、プレミアリーグで先発出場を続けている岡崎慎司と吉田麻也の2人の選出は、「それぞれのクラブでもっとプレーしなければならない」という以前からの指揮官の言葉に沿った順当なものだと言えるだろう。
 
 岡崎も吉田も昨年末までは、いわゆるベンチウォーマーに近い状況にあった。しかし、両者ともクラブ事情により扱いが一変。今や欠かせない存在となっている。
 
 まず、レスターの岡崎は、今年1月に入ってライバルのイスラム・スリマニがアフリカ・ネーションズカップに出場するために離脱。それにより出番が一気に増えた。
 
 しかし、レスターが残留争いを強いられていたことで、指揮官のクラウディオ・ラニエリが守戦を選択。不慣れなトップ下で起用された岡崎は、当然のように抜群の飛び出しからのシュートなど、持ち味が鳴りを潜めた。
 
 そんな状況に光が差したのは、2月23日に発表されたラニエリ解任以降だ。それまでアシスタントコーチを務めていたクレイグ・シェイクスピアが監督に昇格すると、2トップの一角として公式戦4試合連続先発出場を果たしている。
 
 チームが原点回帰し、堅守速攻のスタイルに戻したことで、本人が口にする「DFW」として輝きを放ちつつある。そんな岡崎については、シェイクスピア監督も「たとえ得点できなかったとしても、シンジがチームのために果たしてくれていることは、とても重要だ」と、その働きを称賛している。
 
 一方のサウサンプトンの吉田も急遽回ってきた出番を活かし、今や先発の柱としてDFの軸を担っている。
 
 開幕から主にヨーロッパリーグやリーグカップなどのコンペティションで、14試合中13試合でフル出場を果たしていた吉田。しかし、プレミアリーグでの出場は昨年12月31日のWBA戦(19節)までわずかに4試合のみと、いわゆるカップ戦要員にとどまっていた。
 
 それでも努力を重ねた吉田にチャンスが回ってきたのは、今年1月だ。CBの主力だったジョゼ・フォンテがウェストハムに移籍し、さらに今年2月にフィルジル・ファン・ダイクが約3か月の長期離脱を余儀なくされたことで、一気に主戦級のCBへと格上げされたのだ。
 
 そこからは、リーグ戦9試合連続で先発フル出場。さらに2月26日に行なわれたマンチェスター・Uとのリーグカップ決勝では、相手ストライカーのズラタン・イブラヒモビッチとマッチアップするなど、DFとして研鑽を積んだ。
 
 岡崎と吉田は最新の試合でも先発出場。前者は迫力のある動きで2ゴールに絡む活躍を見せ、後者はトッテナムに敗れた試合後に自身のツイッターで、「まだ課題が多いです。が、切り替えて代表行ってきます」と反省を述べつつ、代表戦に向けて意気込んだ。
 
 岡崎は現地時間3月19日、吉田は20日にUAEで日本代表に合流。長谷部の負傷離脱が決定するなど不安要素が少なくないハリルジャパンにとって、試合勘もフィジカルコンディションも十分なプレミア・コンビの存在は心強いはずだ。