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日本時間3月16日午前3時、FOMCは大方の予想通り、0.25%の利上げを決定したことを発表しました。しかし、一部マーケットで期待されていた利上げのペースの引き上げについての言及はなく、マーケットに大きな失望感を誘い、ドル買いポジションの投げが集中しました。つまり、ユーロ/ドルでは急騰、ドル/円では急落となりました。

そして、週末のユーロ/ドルは、ユーロ売りから転じてユーロ買いをしたものの買い過ぎて反落となる一方、ドル/円は多分買い下がってロングになったためか安値で引け、週を終えました。

このFOMC発表以来の相場展開、つまり、ユーロ/ドルでは急騰と高値テスト、並びにドル/円での急落とその後のもみ合いと軟化は、急騰・急落相場の典型的なパターンを描いていますので、よく覚えておかれることをお勧めします。

○急騰・急落が起きる理由と対処法

まず、急騰・急落は何によって起きるかということです。それは、自分のポジションにとって不利な何らかのことがおきて、損失を最小限に食い止めようと、急騰であればショートポジションの買い戻しが集中する場合です。また、急落であれば、我先に手元にあるロングポジションを投げ打って、損失をできるだけ抑えようとすることです。

ですから、上記のユーロ/ドルでは長大陽線が出て、一気に上げています。この間には売りが引いてしまい、買いだけがどんどん上がっていって、やっと売りが出たところで、買い戻せたということです。

また、上記のドル/円では長大陰線が出て、一気に下げています。この間には買いが引いてしまい、売りだけがどんどん下がっていって、やっと買いが出たところで売れるということです。このようにして急騰・急落が発生すると、相当の額のロスカットが出るためにマーケットが傷んでしまいます。

ポジション的にいえば、急騰であればショートのロスカットの集中によって買い戻しが進み、ポジションはほばスクエア(ノーポジション)になり、急落であればロングのロスカットの集中によってやはりポジションはほぼスクエアになります。

そうすると、いったん相場は動かなくなり、横ばい状態となってこの急騰であれば高止まり、急落であれば安値圏に張り付くことによって、ロスカットによって大きく傷ついた心身を癒そうとします。上記のチャートでは、その横ばい地合いは基本的には延々と、上記ドル/円での1日半ぐらい続きました。

ですので、この間に例えば「今度は売りだ」とばかりに売っても、マーケットがほぼスクエアのため、多少下がっても単にショートになるだけですので、元に戻ってしまいます。

一方、ユーロ/ドルは、この例においては急騰から横ばいをしばらくやった後、ドル/円と同じく値頃感から売ってしまい、それが逆に一段上げの原動力となって、高値水準を引き上げました。

しかしそれで上がったことによって、今度はロングのポジションを新たに持とうとするマーケット参加者が増えたようでロングになり、週末には反落してほぼ一段上げの水準まで戻しています。

ドル/円は、長い横ばい状態が続いた結果、結局は買い下がってしまったようです。金曜にニューヨーククローズに向けて、ロングの解消売りが出たもようで、安値引けとなっています。

ユーロ/ドルの急騰とその後、ドル/円の急落とその後を見てみますと、いったん急騰・急落してしまうと、正常なマーケットに戻るには時間がかかることがわかります。

ですので、例えば急騰局面でレベル感で売り上がったものの、上げが止まらず損切らされて、その後上げ止まりを見せたところで悔し紛れで売っても、単にショートになるだけです。上記のユーロ/ドルのように、その後の一段上げの局面で切らされることが落ちだということです。

こうした、急騰・急落とその後の対処法についての解説は、あまり紹介されていません。どうぞ、このコラムをご参考にしていただければと思っています。

○執筆者プロフィール : 水上 紀行(みずかみ のりゆき)

バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀に於いて為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。なお、長年FXに携わって得た経験と知識をもとにした初の著書『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』が2016年1月21日に発売される。詳しくはこちら。

(ストラテジスト 水上紀行)