混雑した電車内で痴漢に間違われた際、「やっていない」ことを立証するのは難しいといわれます。そこで、「痴漢冤罪」を防止するというスマートフォンアプリが登場しました。どのようなものなのでしょう。

目の前で起こった痴漢事件 そのとき…

 電車内での痴漢行為は犯罪です。鉄道各社も連携して駅ポスターなどを通じ、痴漢犯罪の防止に努めています。

 一方で、痴漢に間違われる事象も発生しています。この「痴漢冤罪」を防止すべく、DOJASS BROTHERS(東京都江戸川区)はスマートフォンアプリ「痴漢冤罪防止ナビ」を開発し、2017年3月にリリースしました。どのようなアプリなのか、同社に話を聞きました。

「痴漢冤罪防止ナビ」のイメージ画像(画像:DOJASS BROTHES)。

――アプリの内容は?

 まず「状況を記録するための動画撮影」、次に「間違いを主張する」といったように、痴漢に間違われた場合に自分がとるべき行動を、弁護士のアドバイスに基づき順にナビゲートしていくものです。事実を残し、取り調べなどの際に公平に判断してもらうことが目的です。

――なぜこのアプリをつくろうと思ったのでしょうか。

 電車に乗っていたとき、自分の目の前で痴漢事件が起こったことがきっかけです。女性は泣き崩れ、男性はひと言も発せられず茫然としていました。それが冤罪だったかどうかはわかりませんが、もしかしたら自分が疑われていたかもしれないと思うと、非常に怖いと感じました。

――冤罪を晴らすのは難しいのでしょうか。

 一般的には難しいといわれています。テレビやインターネットでも、痴漢に間違われたときにどうしたらいいかというアドバイスは多数紹介されていますが、いざその状況に出くわしたら、適切に対応できるでしょうか。そこで、有効な手段を効率的にナビゲートしてくれるアプリをつくりました。

――反響はいかがですか。

 リリース前からさまざまなメディアで紹介されましたが、ダウンロード数はもう少しというところです。まだまだ知られていないと感じています。

※ ※ ※

 アプリの制作背景には、痴漢事件で怖い思いをするのはその場に居合わせた男性も同様、という思いがあるといいます。なお、「痴漢冤罪防止ナビ」はAndroid4.1以上対応で、iOS版はありません。

【画像】「痴漢冤罪防止ナビ」の内容

痴漢に間違われた際の対処法を、順を追ってナビゲートする(画像:DOJASS BROTHERS)。