「四川大地震でも福島原発と似た状況あった」 中国高官

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 「2008年の四川大地震でも東日本大震災の福島と似たような状況があった」。原発政策を担当する中国高官のこんな発言が波紋を広げている。事故は防げたとして中国の原発の安全性を強調する狙いだったが、当時はこうした状況が明らかにされておらず、かえって情報公開のあり方に疑問の声が上がっている。

 国家原子力機構の王毅靱副主任が国営ラジオで2月中旬に語った。中国は原子力発電を、安定的に供給できるクリーンなエネルギーととらえており、20年までに発電能力を計8800万キロワット(建設中も含む)にすることを目指している。

 王副主任は「四川大地震時に核施設で(東京電力福島第一原発と)類似の危険な状況があり、緊急対策を実施した」と述べた。電源が切れて(炉心を冷やす)冷却水プールが破裂し、水位が低下。炉心部が露出する可能性もあったが、発電機を手配して電源を回復し、プールも修理。冷却水が戻り、事故を免れたと説明した。

 四川大地震の震源近くに原発はなく、王副主任もどの施設かは特定していない。だが、四川省の綿陽周辺には、中国初の核実験に貢献した中国工程物理研究院など核関連の軍事研究施設が10カ所以上あり、複数の原子炉があるとみられる。地震発生後にも放射能漏れの心配があったが、当時の中国軍幹部は「核施設は安全だ」としていた。