タラドンさんの思い出の写真。苺りなはむとの写真

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 タイは今空前の日本ブームだ。和食、日本旅行、テレビで日本の話題を聞かない日はない。今年2月11日には「ジャパン・エキスポ・タイランド2017」も開催され、日本のアイドルやPPAPで人気になったピコ太郎も招致された。

 ここ10年はテレビでアジアンポップスが流れるとほとんどがK-POPだった。2000年前後は日本のポップミュージックの方がよく聴かれたが、著作権などの金額が折り合わなかったのだろうか、徐々になくなっていき、2008年に韓国の「ワンダーガールズ」の『Nobody』、2009年に「少女時代」の『Gee』のヒットで一般層に韓国音楽が浸透した。

 しかし、2010年から日本政府も「クールジャパン」としてサブカルを後押しをするようになったこともあって、コスプレに代表される日本の「オタク・カルチャー」が海外で注目を浴びるようになり、バンコクでも日本のサブカル人気が高まった。

 ただ、コスプレなどを楽しむコア層はずっと前からオタク文化に触れて来ていた。たまたまここ数年、注目度が上がってきただけだ。コスプレイヤーがバイブルとする日本のコスプレ雑誌のタイ版「COSPLAYMODE THAILAND」は2010年10月には刊行されており、日本人女性編集長によりタイ人向けの内容にアレンジされ人気を博している。発行部数は1万部。ティーン向けの超有名雑誌では10万部以上の発行もあるが、ジャンルが限られる中では驚異的な部数といっても過言ではない。それほどの熱はすでにあった。

 コアなタイ人オタクたちは幼少のころから日本のアニメなどに触れていて、成長していくにつれて情報量が増え、日本の最先端の情報がリアルタイムで得られるようになった。そして、日本のオタク文化が細分化されたように、タイのオタク文化も細分化されてきている。

 その中ではコスプレなどのアニメ関係が多いが、今、増え始めているのがアイドルオタクだ。アニメほど一般的でないこと、また地下アイドルなど日本でも珍しいジャンルに手を出しているため、並々ならない努力が彼らにはあるようだ。

 そんなタイ人アイドルオタクを直撃してみた。

◆タイのドルヲタ青年、オタク生活を語る

 タラドンさん27歳はアイドルオタク歴15年。タイの通信会社大手でゲーム関係の仕事をしながら、日本の地下アイドルなどを紹介するウェブサイト「サイアムドル」の運営に携わる。

 サイト運営はあくまでもボランティアで、始まったばかりのこのサイトは運営費もすべて自分たちで賄う。1月14日には日本の現役JKアイドルグループ「KAMOがネギをしょってくるッ!!!」を呼んでイベント開催をするなど、なんとか資金繰りをしながらも積極的に活動している。そんなタラドンさんになぜ地下アイドルなのかを聞いた。

「最初は子どものころから見ているアニメから入って、徐々にアイドルが好きになっていきました。AKB48にも注目していましたが板野友美推しだったのに辞めてしまい、今は地下アイドル一本にしています。今一番気に入っているのが「でんぱ組.inc」です。日本のアイドルにオリジナリティーを感じるので好きです」

 タイにもアイドルがいるし、一般タイ人にも人気のK-POPガールズグループは数多に存在する。しかし、タラドンさんからすると「彼女たちはすべて日本のアイドルの物マネに過ぎない」とばっさり。オリジナリティーの極みが地下アイドルだと彼は見ている。
「曲もマイナーですし、そもそも地下アイドルは手売りが基本ですからタイではまったく曲が手に入らない。それもまた魅力なんですよ」

 かつてのタイではメジャーデビューをしたアイドルのCDやグッズでさえ手に入れるのも一苦労だった。そんな時代も経験しているタラドンさんはこの状況を楽しでもいる。