侍ジャパン・平野佳寿【写真:Getty Images】

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カブス、ドジャースに連敗となった侍J

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で4大会連続で4強入りした野球日本代表「侍ジャパン」は米国入り後の練習試合2戦で連敗し、アメリカ代表との準決勝(21日・日本時間22日、ドジャー・スタジアム)を迎えることになった。19日(日本時間20日)にアリゾナ州グレンデールで行ったドジャースとの練習試合は2-3と逆転サヨナラ負け。9回にマウンドに上がった松井が1安打2四球で逆転を許した場面は課題が残ったが、収穫もあった。8回までリードを守った救援陣の存在だ。

 この日は先発の武田が4回5安打1四球2奪三振で1失点と粘りの投球。その後、5回は岡田、6回は秋吉、7回は平野、8回は牧田が無失点リレーを見せた。この救援4投手で被安打2、四球1、奪三振4という内容。前日のカブス戦も先発の藤浪が4回3失点を喫するなど計6失点で競り負けたが、終盤に登板した宮西、則本は零封。特に宮西はカブスの名将マドン監督からも高評価を得ていた。

 この日、1安打2奪三振と上々の投球を見せた平野は「久々のこんなに暑い日の登板だったので、少し面食らったところもありましたけど、しっかりゼロに抑えられたのでよかったと思います」と手応えを口にし、「この球場が次にやる球場と結構一緒だということも聞いたので、しっかりマウンドがどんななのかというのを確かめられて、こういう感じなのかと分かったのが良かったと思います」と収穫を挙げた。

 マウンドについては日本でも対策を練ってきたが、実際に投げてみると感触の違いを感じたようで、「結構硬いですね、やっぱり。あとは傾斜というか。左足が付くタイミングが東京(ドーム)よりも遅いというか、それくらい傾斜が急になっているなというのが、投げていて思ったところがあるので、そういうのがわかったのは良かったと思います」と振り返った。

牧田が感じたやりづらさ、「相手に合わせないように」

 一方でボールには大きな違和感はなく、「そんなにビックリするほどというわけではなかった」。「今日しっかりマウンドに立てて、しっかり投げられたので、あとはしっかり体調を整えて、どこで行っても投げられるようにあと2つだけ勝てるように頑張りたいです」と力を込めた。

 また、8回を3者凡退で仕留めた牧田は「バッターボックスに入ってくる間合いが長かったり、なかなか自分のテンポで投げることができなかったんですけど、明後日アメリカ戦ですけど、そういうバッターが多いのかなと」と実際に打者と対峙した感想を語り、「自分の間で入ってくるバッターが多いと思うので、その辺で相手に合わせないように。自分(ピッチャー)先行でいけたらなと思います」と気を引き締めた。

 投げづらさを感じながらも積極的に勝負したという右腕は「明後日のアメリカ代表は強打者ばかりなので、そういうところも見逃さずフルスイングで長打っていうのがあると思うので」と警戒しつつ、「球場の雰囲気も多分アメリカ代表っていうこともあって、完全アウェーだと思うので、その中でも東京ドームと同じで、歓声に惑わされないで、しっかり自分の間で、ゆっくり冷静に考えて入っていけたらなと思います」と準決勝を見据えた。

 強力打線を擁するアメリカを勢いに乗せれば、決勝は遠のく。日本が誇る投手陣がいかに踏ん張れるかも準決勝突破の鍵。東京ラウンドから安定した投球を見せている救援投手たちにかかる期待は大きい。