めちゃ笑顔のクララ・ウェイ姉さん(撮影:hime)

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 第12回大阪アジアン映画祭で、アジア映画界に多大な貢献をし、かつ今後の活躍が期待される映画人に贈られる「オーサカ Asia スター★アワード」に、香港カンフー映画を支えてきた女優クララ・ウェイ(カラ・ワイとも表記)が選ばれ、このほど、大阪・梅田ブルク7で授賞セレモニーが行われた。

 同アワードは大阪アジアン映画祭10周年を記念して2015年に設立され、第1回は行定勲監督の日中合作映画『真夜中の五分前』(2014)にも出演した台湾俳優チャン・シャオチュアン、2016年は台湾映画『KANO 〜1931海の向こうの甲子園〜』(2014)など日本以外でも活躍する俳優の永瀬正敏が受賞した。そして今年は、香港の老舗映画会社ショウ・ブラザーズの黄金期を支えたクララに贈られ、長年の功績を讃えた。

 セレモニーに全身白のスーツをまとって颯爽と登場したクララは記念の花束を受け取ると、「16歳の時にチャン・チェ監督に見出していただき、以降10年間で120本ほどのアクション映画に出演しました」と振り返る。「体はもうボロボロですが、それでも辞めなかったのは、映画は(国籍・人種を超えて)すべての人たちとコミュニケーションできる素晴らしい芸術だから。そして何より(映画が)私に自信をつけてくれました」と喜びを語った。

 現在57歳のクララは、一時期は仕事の壁にぶち当たりうつ病で苦しんだこともある。だがマレーシア出身のホー・ユーハン監督の『心の魔』(2009)で、性犯罪で訴えられた息子の為に奔走する母親を熱演し、台湾金馬奨助演女優賞などアジアの映画賞を総ナメにして見事に復活した。

 最新の出演作は、本年度の大阪アジアン映画祭のオープニングを飾った、同じホー監督の『ミセスK』。カジノ襲撃集団の元女ボス(クララ)が、娘を何者かに誘拐されて奪回に燃えるというアクションサスペンスだ。劇中では久々にキレッキレのアクションも披露し、会場に詰め掛けたアジア映画ファンを大いに沸かせた。

 クララは「ホー監督は私の良き友人であり、恩人です。2009年に(うつ病から)復帰した時は仕事がなかったのですが、そんな時に『心の魔』に起用してくれました。『ミセスK』は私の最後のアクションになりますが、今後も有意義な作品に携わっていけたらと思っています」と晴れやかな笑顔を見せた。

 その言葉通り、映画祭のコンペティション部門で上映されたハーマン・ヤウ監督のラブコメディー『77回、彼氏をゆるす』(2017・香港)では、ヒロインの恋の行方を見守る、たくましくて優しい母親を演じるクララの姿が印象的だった。酸いも甘いも噛み分けて、今、女優として再び充実した日々を過ごしているようだ。(取材・文:中山治美)