男性が銃器で訓練するのにはコストが掛かる。一方で牡丹小隊のメンバーは、ローコストの暗殺術に長けているのだという。
 「海で漂流してもSOSを出さずに自力で7日間、あるいは洞窟で水分だけで1カ月暮らしたりできるような訓練もしているし、そこらにある工場の金属部品を加工して、簡素な銃弾と銃器を工作する術も持っています」(同)

 こうした女性工作員が養成されるようになったのは、金正日総書記が逝去した2011年12月以降だという。このときは、一時的に影響が弱まった北朝鮮を取り込もうとロシア、アメリカ、中国らが政治的工作を始めたので対抗策を打たなくてはならなかった。それが「金正恩を担ぐ」ことと邪魔な勢力の排除、つまり枝葉切りだ。
 「金正恩体制から、男よりも女工作員が毒殺する方がコストが掛からないという判断で、世界各地に100人以上が配置されています。彼女たちは美人であるが故にハニートラップを仕掛けますから、ベッドテクも超絶のようです」(同)

 『牡丹小隊』でも徹底的に偵察局幹部のトレーナーに仕込まれるのが、グイグイと万力のように膣で締め付けるSEX奥義だという。
 「立った状態でビール瓶を膣でくわえ込み、1時間持たせるというプログラムもこなしています。今、牡丹小隊は、かつてのKGBをしのぐほどの強力な美女暗殺工作員を抱えているのです。今回、正男を空港で殺すことに失敗した場合、また、時間を空けて別の美女工作員が送り込まれたはずです。超絶なベッドテクを駆使して正男を骨抜きにし、一気に首に毒針を刺すようなやり方で殺したはずですよ」(同)

 軍事評論家の青山智樹氏は、今回の空港での暗殺を次のように解析する。
 「VXガスを使ったということは、霧吹き2、3回の分量のハンカチや布で相手の皮膚をタッチさえすれば死にます。毒針の場合は、抵抗されて逆に刺されては元も子もない。ですから、今回の暗殺は、より確実性を重視しているのです。空恐ろしいものがありますよ。もし失敗したら、待機していた男性たちが殺したと思います。二重、三重に計画された周到な暗殺ですよ。空港で失敗しても、正男を殺す別動の美女チームが次の渡航先だったマカオで待ち受けていたはず」

 失敗して1カ月もたてば、街で美女工作員がしなだれかかってくるというわけだ。
 「やはり次に狙われるのは正男の息子であるハンソル。一部報道では今もマカオの警察保護下だといわれているが、一瞬でも羽目を外したら、もう牡丹小隊の餌食でしょう」(同)

 美麗な花には猛毒があるのだ。