ワニ、それは現代に生きる触れる恐竜

人間に危害を与える頻度が高いにも関わらず、動物園で日向ぼっこばかりしているイメージが強いからか、サメより圧倒的にマンイーター認知度が低い、ワニ。

卵の性別が気温によって左右されるため、温暖化が進むと個体数が著しく減少、果ては絶滅の危機にさらされてしまう可能性もあるのに、ホッキョクグマの影に隠れてほとんど話題にもされない、ワニ。

ワニの魅力を伝えるべくワニ園が世界中に作られるも、レッサーパンダやワニ皮土産物コーナーに主役の座を奪われるだけでなく、「地味」とケージを素通りされる不遇な爬虫類、ワニ!

なんだかあまりの過小評価っぷりに切なくなってきますが、本当は私たちが思っているより断然スゴイ奴なんです。

ワニ目は2億4590万年前の三畳紀中期に出現しました。三畳紀末期に発生した大量絶滅で生物の7割以上が絶滅しましたが、ワニ目は何故か生き延びました。そして、その後おとずれるジュラ紀と白亜紀の恐竜繁栄時代もつつがなく過ごし、今こうやって淡水域の王者の座を手に入れたんです。

そんなド根性ワニにスゴイ発見が。

The Telegraphによると、なんとポルトガルの絶壁から1億5200万年前のワニ目の卵が発掘されたんです。しかも恐竜の巣の中から! さて、これはどんな発見なのでしょうか。



今回発見された卵は、1億5200万年前のものにも関わらず、現存のワニの卵とほとんど変わっていないのだそうです。

生まれたワニは成長すると2メートル程度になったと考えられるそうで、今でいうカイマンのような感じでしょうか。

ポルトガルのヌエバ・デ・リスボン大学のジョアン・ルッソ氏は次のようにBBCに語りました。

これらはジュラ紀後期のものなので、世界最古のワニ類の卵ということになります。この新たなる発見により、この種の卵に関する知識が約4000万年ものびたことになります。

化石記録は、クロコダイルやその近縁種の過去は摂食習慣の違いや生態的地位における分布や形態が遥かに多様であったことを示しています。

BBCによると、化石記録の中でワニの骨は珍しくなく、白亜紀前後のアフリカに生息していた巨大ワニのサルコスクス(全長12メートルに達する)の骨も発掘されています。しかし、卵は滅多に見つからず、あったとしても破片ばかり。ところが、今回は恐竜の巣の中に複数、しかもどうやら異なる2種類らしいのです。

現生の生物では最強捕食者に君臨するワニも、恐竜時代には捕食される側だったということでしょうか。もしや太古のワニはカッコーよろしく恐竜の巣に卵を産んで面倒を見させていたなんてことも考えられるかも。私たちの想像が及ばない底力を秘めているワニなので、研究を進めたら思いがけない事実が飛び出すかもしれませんね。


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image: Mr.Smitthi / Shutterstock.com, Gevul News / YouTube
source: The Telegraph, BBC, ThoughtCo.

(中川真知子)