3連敗を喫した柏。その要因となっている守備面に活路は? 写真:田中研治

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 アディショナルタイムの失点によって、0-1で仙台に敗れた柏は2009年以来となるリーグ3連敗を喫した。
 
 昨季リーグワースト8位の44失点を減らすことを大きなテーマとして、今年はキャンプから入念に守備戦術の向上に取り組んできたが、開幕4試合で7失点と、現状ではその成果が見られない。不振にあえぐ要因ともなっている。
 
 下平隆宏監督は、日頃から「ダイレクトプレス」という言葉を用いて、ボールを失った瞬間に奪い返しにいくプレッシングと、たとえそこで奪いきれなくても、プレスの圧力に負けた相手がクリアをして逃げることで、そのセカンドボールを回収し、2次攻撃へ転じる形を理想にしている。
 
 ただ、前線からのプレスがかからなかった時の別手段として、今年のキャンプでは「4-4-2の守備ブロックを作り、各ゾーンを守って組織的に守備をする」という点に重きを置き、守備戦術の統制を進めてきた。しかし開幕以降、チームの守り方がそちらへ傾倒しすぎるあまり、前線からのプレスが少なく、各局面でボールホルダーへの寄せが甘くなってしまったのである。G大阪戦と川崎戦の敗戦は、その課題を浮き彫りにした。
 
 15日に行なわれたルヴァンカップの清水戦は、その反省材料を生かした。
 
 川崎戦からスタメン8人が入れ替わり、これまで出場機会の少なかった選手たちは、“試合に飢えていた思い”も相まって、アグレッシブに戦った。ブロックを作った待ち構える守備ではなく、2トップを組んだ中川寛斗と大島康樹が前線からプレスを仕掛け、守備のスイッチを入れると、彼らの動きに反応して中盤と最終ラインも連動した守備を見せた。1-0で勝利したルヴァンカップの清水戦は、「相手の自由を奪った結果の勝利」とも言い換えることができるだろう。
 
 前線からプレスに行き、局面ではボールホルダーに厳しく寄せていく――。
 
 ブロックを作って各ゾーンを守るだけではなく、そうしたアグレッシブな守備の重要性を再確認した柏は、仙台戦でも前から奪いに行く意識を見せた。
 仙台戦では、中川とD・オリヴェイラの執拗なプレスによって、仙台GK関憲太郎のキックは何度もタッチラインを割っていた。さらに仙台の陣形を深い位置まで押し込むことによって、石原直樹を孤立させ、結果的に仙台が攻撃に出ていく回数を減らした。
 
「ルヴァンカップに比べたらプレッシャーのスピードも遅いし、セカンドボールに対する執着心も足りない。浮いたボールに対して自分たちが先に動くのではなくて、相手の方が先に動いている。そういう反応はもっともっとできる」
 
 ルヴァンカップの清水戦にも出場した中谷進之介は、そう言って仙台戦の出来には満足せず改善点を口にしたが、仙台戦の根本的な敗因は数々の好機を逸し続けたことと、後半アディショナルタイムの集中力の欠如によるミスの多発であって、G大阪戦、川崎戦とは明らかに異なっていた。
 
 ここで迎える2週間の中断期間内に負傷離脱中のR・ロペス、今井智基、ユン・ソギョンらが戦列に復帰するだろう。同時に3連敗をしたメンタル面の切り替えと戦術面の統制も図れる。3連敗した事実は変わらないが、自分たちがどう戦っていくべきか、その答えは掴みかけている。
 
 中断が明けた4月、果たして柏はどのような姿に生まれ変わっているのだろうか。
 
取材・文:鈴木 潤(フリージャーナリスト)