Rettyグルメニュース

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おいしいものやトレンドに敏感な女子たちの間で、いま注目のキーワード「シャルキュトリ」。とはいえ、「シャルキュトリって一体なに?」という人もまだまだ多いはず。そこで、話題の「シャルキュトリ」の種類や魅力について徹底取材。女子を虜にするヒミツに迫りました。

パンにたっぷりのせて!シャルキュトリの本当の楽しみ方

そもそも「シャルキュトリ」とは? そんな、素朴な疑問を胸に訪れたのは「日本シャルキュトリ協会」の会長・クリストフ・ポコ氏がオーナーシェフを務めておられるお店「ルグドゥノム・ブ ション・リヨネ」。

東京・神楽坂の路地にあり、本場のムードがたっぷり味わえる名店です。クリストフ・ポコ氏から、「シャルキュトリ」の魅力を、教えていただきました。

「まずは食べてみてください」(クリストフ・ポコ氏)。

テーブルに運ばれてきたのは、シャルキュトリの盛り合わせ。

ドライソシース(写真上)、豚肉のリエット(右)、にんにくのソシース(下)、パテ・ド・カンパーニュ(左) の4品。

「シャルキュトリ(charcuterie)の語源は、chair(肉)+cuite(火を入れる)。 豚肉を中心とした食肉加工品全般の総称です。身近なところでは、ハムやソーセージ、パテ、テリーヌもシャルキュトリなのです」(クリストフ・ポコ氏)

なるほど、確かに盛り合わせには、今まで食べたことのあるものも。実は、身近にあった「シャルキュトリ」。レストランや家庭などで知らないうちに食べていたものだったんですね。

「いただきます!」

早速、パンにリエットを塗って口に運ぼうとしたら 「もっとたっぷりとのせて」とクリストフ・ポコ氏。

「そんなに少しでは、パンの香りしかしない。もっとたっぷりとのせて食べてください」

おすすめに従い、リエットをこんもりとのせてぱくりと食べると、リエットの香りやうまみが口のなかにふわっと広がってとってもおいしい! 今までは、 バターを塗る要領で薄くパンにつけていましたが、確かにそれではパンの味が勝ってしまいます。

口の中で広がるリエットの香りを堪能しつつ、ワインを口に入れたら、もう最高!

「たっぷりのせてこそ、おいしさが際立ちます。薄く塗るとパンばかり食べてしまい、それだけでお腹がいっぱいになってしまいます。シャルキュトリ本来の味わいを楽しんでください」(クリストフ・ポコ氏)

「たっぷりのせる」を心にメモ。「食べ方でこんなに違うんだ!」大好きなリエットやパテの本当のおいしさに出合えました。

種類は450 種以上。フランスの伝統的なシャルキュトリ

おいしさを堪能したところで、改めて「シャルキュトリ」の基本情報をレクチャー。食肉加工品全般の総称である「シャルキュトリ」は、製法によって大きく16 種類に分けられるのだそうです。

(シャルキュトリの製造方法)

1 カットされた生肉

2 乾燥肉

3 加熱肉

4 生もしくは加熱したソシース(ソーセージ)とソシソン(大ソーセージ)

5 乾燥タイプのソシース(ソーセージ)とソシソン(大ソーセージ)

6 加熱タイプのソシース(ソーセージ)とソシソン(大ソーセージ)

7 パテ(ひき肉、フォアグラなどを型に入れてオーヴンで焼いたもの)

8 リエット(脂煮してほぐしたもの)

9 頭部を使った製品

10 アンドゥイユ、アンドゥイエット(臓物の腸詰)

11 トリップ(牛、羊などの胃腸)、(豚)足

12 ブーダン・ノワール(豚の血と脂身の腸詰)

13 ブーダン・ブラン(鶏や仔牛に卵、クリームを入れた腸詰)、クネル quenelles 

14 牛肉ベースの缶詰・瓶詰

15 フォワグラとフォワグラ・ベースの商品

16 その他

「これをもとに、材料や着想を変えて、450 種類以上のシャルキュトリが作られています。また、材料は地域によっても変わります。同じブータン・ノワールでも、リヨンでは玉ねぎを加えますが、ノルマンディーではりんごを入れます。さらに、作り手の好みや加減で違いが生まれます」(クリストフ・ポコ氏)

フランス料理に深く根付く「シャルキュトリ」。起源は古代までさかのぼるといわれ、中世には「シャルキュトリ」の正式な製造が認められる「シャルキュティエ(シャルキュトリの職人)」という職も誕生しています。現在、「シャルキュティエ」には「M・O・F(フランス最優秀職人)」の称号を持つ職人もいるとか。「M・O・F」は日本でいう「人間国宝」に通じる栄誉。長い歴史の中で大切に守られてきたフランスの食文化なのです。

パーティーに、ピクニックに!日常で気軽に楽しみたいシャルキュトリ

日本ではレストランで食べるイメージが強いシャルキュトリですが、フランスでは専門店に買いに行き、家庭で食べることが多いとか。

「家族で食べたり、ホームパーティーに出したり。シャルキュトリは子どもも大好きなんです。子どもたちはパンといっしょに食べ、大人はワインと楽しむ。 パーティーでは、最初から最後までシャルキュトリがテーブルにあることも多 いんです」(クリストフ・ポコ氏)

また、これからの季節はピクニックなどに持って行くのもおすすめだそう。

「バゲットにはさんでサンドイッチにしてもいいですし、持って行ってパンに 塗ってもいいですね」(クリストフ・ポコ氏)

もうすぐ訪れる、お花見やゴールデンウィーク。「シャルキュトリ」があれば、もっと楽しく、美味しい、華やかな時間が過ごせそうですね。

さらに女子として気になるのは、やはり、きれいと健康。「シャルキュトリ」の栄養って?

「シャルキュトリは、良質なたんぱく質の宝庫です。さまざまな部位を使っているので、鉄分や、ビタミンB群も含まれます」(クリストフ・ポコ氏)

鉄分、ビタミンB群、いずれも女性にはうれしい栄養素。ワインとの組み合わせは、食べておいしいだけではなく、体にもうれしいことが判明しました。 おいしいものやトレンドに敏感な女子が注目するのも納得の「シャルキュトリ」。 レストランで、ホームパーティーで、ピクニックで。ワインといっしょにいろいろ楽しめるのも魅力です。

日本シャルキュトリ協会推薦・シャルキュトリが楽しめるお店

■ルグドゥノム・ブション・リヨネ

温もりとエレガンスあふれる空間で、フランス・リヨンの料理が楽しめる。シャルキュトリの盛り合わせは、ランチやディナーのコース、アラカルトで注文できる。他にもシャルキュトリを使った料理などもあり。

東京都新宿区神楽坂4-3-7 海老屋ビル1F   ☎03-6426-1201

営業時間:11:30 〜15:30(L.O.14:00)、18:00 〜23:30(L.O. 21:30) 定休日:月曜日・第1・第3火曜日

https://retty.me/area/PRE13/ARE6/SUB602/100000014206/

■ローブリュー 

美食で知られるバスク地方の料理を中心としたフレンチ。豚肉料理を中心に、 手づくりのシャルキュトリが人気。

東京都港区南青山 6-8-18 ☎03-3498-1314

営業時間: 18:00 〜21:30(L.O.)定休日:日曜日

https://retty.me/area/PRE13/ARE23/SUB2302/100000038639/

■オーボンヴュータン

老舗パティスリーに併設されたシャルキュトリとトレトゥール(総菜店)が話題。イートインもあり。  

東京都世田谷区等々力 2-1-3 ☎03-3703-8428 

営業時間: 9:00 〜18:00 定休日:火曜日・水曜日

https://retty.me/area/PRE13/ARE20/SUB2001/100001310648/

■メツゲライクスダ

「メツゲライ」は、ドイツ語で食肉加工品の専門店という意味。ヨーロッパ各地で修業を重ねた楠田裕彦氏が工房で手づくりするベーコンやテリーヌなどが、 ショーケースにズラリと並ぶ。

兵庫県芦屋市宮塚町 12-19 ☎0797-35-8001

営業時間:10:00〜18:00(イートイン 11:00〜17:00) 定休日:水曜日・第 3 火曜日

https://retty.me/area/PRE28/ARE103/SUB10302/100000023950/

 

取材協力:日本シャルキュトリ協会(ACFJ)

日本シャルキュトリ協会主催の「第 3 回パテ・クルート世界選手権アジア大会 2017」の開催に合わせ、ソワレシャルキュトリが開催されます。「パテ・クルー ト」とは、パテを生地で包んで焼き上げたシャルキュトリの代表。ソワレでは、 コンクールファイナリストの作品のほか、今年のソワレのテーマ、アルザス地 方のシャルキュトリが楽しめます。「シャルキュトリ」が好きな人も、はじめて 食べる人も、大注目です。

●開催日時:2017 年5月 18 日(木)18時半より

●場所:ルヴェ・ソン・ヴェール駒場

東京都目黒区駒場 3-8-1 東京大学駒場校 構内 

※申込は協会事務局(03-5789-2568)にてお電話下さい。 ※詳しくは日本シャルキュトリ協会 HP へ。

ライター/田久晶子