高畑充希(写真:奥山智明)

写真拡大

 映画『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』で主人公の声を務めた女優の高畑充希が、NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のヒロインを経て、女優として新たなステージへ足を踏み入れた実感を得たことを明かした。大役を終え、それでも「主演女優としては初心者マーク」と話す高畑が、現在の自分の立ち位置や求められていることについて思いを語った。

 本作は『東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C.』両シリーズを手掛けた神山健治監督が脚本&監督を務めた劇場版オリジナルアニメ。高畑はヒロインの森川ココネの声を担当し、忌野清志郎さんがZERRY名義で米バンドモンキーズの原曲に日本語歌詞を付けた「デイ・ドリーム・ビリーバー」をココネとしてカバーした曲が、主題歌として使用されている。

 テレビに映画に舞台に、めまぐるしく出演作が続く現状について高畑自身は「朝ドラのあとって自分のいる世界がこんなに変わるんだ! という焦りのようなものがありました」と明かしつつ、「メンタルが追いつかない状態でしたが、ようやく落ち着いてきたところです」と充実した表情を見せる。

 舞台では8代目ピーターパンとして主役を務めたものの「映画やドラマで主役をやらせてもらうなんて自分の辞書にはなかったことで……」と謙遜する高畑は、「次のステージ、『主演俳優の初心者マーク』という感じです」と笑う。主演とそれ以外とでは想像以上に違いがあったようで、そのことを「いままでは主演の方に自分の『持っている球』をぶつける感覚でした。でも主演になると、受ける側になる」と表現する。

 「もちろん主演が突っ走る作品もありますが、受け手に回ることが確実に増えます。ピッチャー専門だったのが、今日からキャッチャーです! というくらいに違う。いままでのように投げるエネルギーだけでなく、球を受け、かつその場に立っているエネルギーみたいなものが必要なのかも」と冷静に分析した。

 朝ドラのヒロインを務めたことは、ほかとは異なる緊張感があったようで「やはり注目度が高いですし、単純にセリフの量や撮影する量もたくさんあります」と述懐。「注目されることに経験がない身としては、多くの人が見てくださっていること自体、とても奇妙な感覚があるんです」と大役を務めた経験を振り返った。

 すでに主演俳優としての在り方をわきまえ、風格さえ漂うようにも思えるが「どうしよう? とデビューしたときと同じくらいの戸惑い具合で、まだまだ経験が必要だなと。自分としては、気軽に面白い作品に出たいんですけど」と主演を求められる立場にあるプレッシャーを否定することもない。多くの作り手に求められるいま、「休憩上手な人になりたいんですよ〜」という彼女の願望は簡単には叶いそうもない。(取材・文/浅見祥子)

映画『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』は全国公開中