Doctors Me(ドクターズミー)- 加藤貴子さん46歳で妊活を明かす 40代から始める妊活5つのポイント

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女優の加藤貴子さんが、現在妊活中であることをブログで公表されております。
先日、旦那様の男性不妊についてもせきららに語られ話題になりました。(参考)

加藤さんは現在46歳で妊活を行っているそうですが、40代から始める妊活はどのような点に注意が必要なのでしょうか。

そこで今回はクリニック選びや、不妊治療内容など、40代から始める妊活の5つのポイントを医師の松本先生に解説していただきました。

追記)
3/19に更新された加藤貴子さんのブログで、第2子を妊娠された旨のご報告がありました!(参考)

40代で妊活を始める難しさ


今は社会的事情で35歳から高齢出産と呼びますが、以前は30歳から高齢出産と定義していました。

しかし、卵子の老化が5年遅くなるわけでなく、あくまでも妊娠適齢期は20歳代で、20代後半から妊娠率は低下し始めます。

また、40代で妊活を始める難しさとして、以下のような問題点が挙げられます。

卵子の数


卵子は生まれる前から数が決まっています。それが、年齢と共に老化しながらどんどん減っていきます。

■ 年齢別 卵子の数
・0歳:200万個程度
・12歳:30万個程度
・20歳:12万個程度
・40歳:5000個程度

卵子の数は、1周期で1000個、1日で30〜40個減るとされます。

■ 残りの卵子の数の計算方法
(年齢-12歳)×12周期×1000個=X個 30万個-X個=残りの卵子の数

体外受精の成功率


■ 年齢別体外受精の成功率
・25歳:20.5%
・35歳:16.8%
・40歳:8.1%

また、20歳代後半では10%程度だった流産も、40歳以上では40%を超えます。つまり、出産にまで結びつくのは5%程度なのです。 

染色体異常の確率


加齢と共に染色体異常などの率も増えてきます。こうなるとなかなか着床しませんし、妊娠しても妊娠初期に流産してしまいます。

さらに無事出産した場合も染色体異常を持つ子が生まれる確率は、1.5%と高くなります。

他にも、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、周産期死亡率(子供の死亡率)、染色体異常を伴わない奇形なども高齢になるほど増え、45歳では不妊治療における分娩は0.6%と低下します。

男性側の問題


高齢出産となれば、配偶者の年齢が高い可能性もあります。20代の男性よりも40歳代の男性の方が精子の遺伝子の突然変異が多いこともわかっています。

時間・体力・お金の問題


不妊治療の場合は、仕事などの合間を縫って治療しなければいけませんし、時間と体力とお金を費やしてもそれが実らない可能性が95%、ということ覚悟して治療を始めるべきです。

夫にもこの現状を深く理解して支えてもらう必要があります。

年齢的・金銭的・精神的・体力的にどこまで努力するか、最初に決めておいた方がよいでしょう。

《参照》
・不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会報告書

40代で始める妊活ポイント1:クリニック選び


不妊治療専門のクリニックへ


すぐに治療に取りかかるためにも、不妊治療専門のクリニックの方がよいでしょう。

総合病院、大学病院などの大きな病院では診察の度に医師が変わることが多く、色んな意見が聞けるかもしれませんが、1人の医師が診察するクリニックの場合は先生がいつも同じなので色んな意味で面倒でないかもしれません。

どちらが自分にとって都合がよいか、まず決めましょう。

通院のしやすさ


ホルモンや卵胞の状態によっては、仕事や家庭の用事よりも治療を優先させなければいけないこともあります。長期にわたる可能性も多々あり、通院のしやすさは大切です。

自宅と病院、職場と病院など通院方法、交通機関など通院時間や費用を熟慮してから決める方がよいでしょう。

医療機関の情報収集


インターネットなどで医療機関をいくつか調べてみましょう。治療方針などもある程度わかります。

治療成績に関しては、年齢別、基礎疾患別など詳しく書いてあれば別ですが、どの算定方法は医療期間毎で違うことが多いので、参考程度です。

不妊治療などの勉強会


不妊治療などの勉強会を行っている医療機関もあります。そうした会に参加してみて、実際にスタッフに触れてみるのも医療機関の雰囲気がよくわかるでしょう。

医師や看護師との相性


最終的には説明がわかりやすいかとか、質問しやすいかなどを含めて、先生や看護師さんとウマが合うことが結構大切です。

早く治療を開始するにこしたことはありませんが、「怪我をして、一刻を争う治療をする」という状況ではないので、納得のいく先生を捜して後悔のない治療をしたいですね。

他にも、初診の時には、基礎体温は1カ月はつけて持って行った方がよいでしょう。

40代で始める妊活ポイント2:男女別不妊治療の内容把握


男性


年齢と共に精子の劣化も進みますし、男性不妊の割合も50%近くあるので、 精液を採取して、精子の濃度、運動率、奇形率などを調べます。

勃起不全や射精不全の場合はそれらに対する治療、どうしても射精できない場合は人工授精などが必要なこともあります。

精液の質の軽度の低下を認める場合は、注射などによるホルモン療法をすることもあり、無精子症など状況がさらに厳しい時は手術を行う場合も考えられます。

女性


検査をして不妊の原因が特定された場合はその治療をします。例えば、卵管が癒着している場合は体外受精などを行います。

はっきりした原因が見つからない場合は、年齢的にもタイミング療法や人工授精にこだわらず、体外受精をすることもありますが、これは、不妊期間や年齢などによって異なります。

■ 体外受精の内容
体外受精の場合、生理の数日後に点鼻薬で適切なタイミングまで排卵が起きないように抑え、排卵誘発剤を使用し卵胞を成長させます。

充分に育っているとわかればhCG注射を行い、成長した卵胞から排卵させ、1.5日後頃、膣内から針を刺して卵胞を吸引します。

また、点鼻薬、飲み薬、注射などを状況に合わせて組み合わせて使います。

40代で始める妊活ポイント3:卵巣年齢と卵子


卵巣年齢とは?


卵子は生まれる前からできており、卵巣はその卵子を保管しているだけですので、卵巣の年齢は実年齢と同じです。

ただし、全身の状況が悪い人、子宮内膜症や子宮筋腫など卵巣のホルモンが原因の病気になったことのある人は老化が早く、全身の状態が良い人では多少遅いでしょう。

卵巣年齢を調べる方法


抗ミュラー管ホルモン(AMH):発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣内にどれくらいの卵が残っているかの目安です。

ただし、AMHによって出る結果は、妊娠できるかどうかではなく、どんな治療がよりよいかを調べるために役立ちます。

卵巣年齢を若くすることは可能?


卵巣の老化はその人が歩んできた過去の人生そのものです。よい食事や生活で、卵巣の老化を遅らせることは可能かもしれませんが、卵巣年齢を若くすることは基本的にはできません。

卵子の質を高める生活習慣


卵子の質を高めるためには、卵子の中のミトコンドリアというエネルギー産生場所を元気にすることが上げられます。

以下のような方法を行うと良いでしょう。

・体を温める
・カリウムを含む生野菜や生の果物類をしっかりとる
・有酸素運動をする
・質のよい睡眠をとる
・酸素をしっかり取りいれる
・精神的に落ち着いた生活をする

《参照》
・PubMed

40代で始める妊活ポイント4:妊活中の精神的な落ち込み解消法


40代の出産はリスクが多い


厳しいようですが、40歳で出産できる確率は5%程度であり、染色体異常児も1%の確率で生まれてきます。

さらに使用する薬の副作用で将来的に血栓症の他、乳がん・子宮がんの危険も高くなります。

また、不妊治療で出産した新生児の8.3%に障害があったとの報告もあります。ただしこれは、不妊治療のためと言うより、不妊治療を受ける人の年齢が高いからかもしれません。

治療費もかなりかかりますし、卵胞の発育には待ったなしですから、治療が生活の中心になるのは言うまでもありませんし、配偶者の協力も絶対に欠かせません。

妊活はなかなか上手くいかないことを認識する


まず、治療を始める前に、現実をよくよく認識して下さい。すでに治療を始めている方もまずは現実を認識して下さい。

「何をやっても妊娠しなくて当たり前、出産に至っては幸運の極み」まずはそこから出発することで、なかなか上手くいかないことが精神的に少しは受け入れられるでしょう。

精神的に苦痛を感じればますます妊娠・出産は難しくなりますから、この現実認識はとても重要です。

子どもを産むことだけが人生ではないと考える


子どもがいることだけが人生ではありませんし、子どもがいることによっての苦しみも多々あります。子どもがいようがいまいが、幸福への道は無限になるのです。

子どもがいなくて幸せいっぱいの人もいくらでもいますし、逆に、子どもの存在により夫婦喧嘩が絶えない夫婦もいくらでもいます。

人生の目的は子どもを出産することではありません、幸せになることなのです。

不妊治療は健全になるための方法


不妊治療をすると言うことは体と正面から向き合うということ。食事も、睡眠も運動も、気持ちも、全てを健全により若く保つための努力をする、と言うことでもあります。

つまり、時間とお金と体力と精神をかけ不妊治療をするということは、結果的に出産できなくてもより健全になるための方法を知って実行する、ということでもあります。これは人生にとって決して無駄にはならないでしょう。

夫も同様に歳をとっていきます。タイミング療法などで「夫婦生活をこの日にしなければならない」と圧力をかけるのではなく、夫を上手に操縦する工夫も人生で無駄にはならないはずです。

どんな結果であっても後で振り返ると「あの時の経験は役に立つね」と笑えるように過ごしたいものです。

カウンセリングを受ける


不妊カウンセラーが常駐しているクリニックもあります。ゆっくり悩みや今後のことを話すだけでも精神的に落ち着くことが多々あるでしょう。

《参照》
・The New England Journal of Medicine

40代で始める妊活ポイント5:夫婦で妊活を成功させる心構え


どんな結果に終わっても受け入れる覚悟を持つ


妊娠・出産は人生の目的ではありません。子どもを育てるには妊娠・出産以上の長い年月がかかります。

夫婦で何よりも協力できること、以下のような結果に終わっても受け入れる覚悟が最初から必要です。

・投薬による副作用がある
・いくら挑戦しても妊娠そのものができない
・妊娠しても流産する
・流産の手術がいる
・妊娠合併症で入院する
・出産で大きな合併症が起きる
・正常児でない
など

そうした覚悟ができて初めて、心穏やかに天命を待つことができるのです。心穏やかにあることは妊娠・出産にとって、副交感神経を活性化させるためにも本当に重要です。

正しい情報収集をする


不妊治療とはある意味、抗老化治療でもあります。そのための正しい情報を手に入れ、実践することは妊活を成功させるためにも重要でしょう。

上手くいかない時の終点を決めておく


お金、時間、年齢などを加味して、上手くいかない時の終点をまず決めておきましょう。

もちろんその経験は無駄にはならないでしょうが、いつまでも「もしかしたら次こそ」と思いながら藁にすがっていては、家族間がぎくしゃくして、最悪の場合離婚になってしまうことまであります。

あの人、あの芸能人が40歳過ぎて出産したのだから、私もできるかな、などと軽い気持ちで治療を始めるのでなく、夫婦共に現実を理解することこそが出発点なのです。

最後に松本先生から一言


歳を取ってからでもできることはたくさんありますが、出産だけは適齢期があります。

社会全体で女性が妊娠適齢期に、妊娠・出産が出来るような環境作りをしていって欲しいと強く願っています。

(監修:医師 松本明子)