自らのミスで失点を許したが、持ち前の空中戦の強さで1ゴールを記録した植田。終盤の鬼気迫るディフェンスなど、攻守に際立つ活躍ぶりだった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ4節]清水2-3鹿島/3月18日/アイスタ
 
 3-0で完勝した4日前のACL3節・ブリスベン・ロアー戦でも、CKのチャンスにチーム2点目となるゴールを決めている。それだけに良いイメージはあったのかもしれない。
 
 0-2で迎えた74分、遠藤康のFKをヘッドで叩き込む。頭ひとつ抜け出した、対空時間の長い力強いヘディングシュートだった。
 
 植田直通のこのゴールが反撃の号砲となり、鹿島はその後、鈴木優磨と金崎夢生がネットを揺らし、2点差をひっくり返す劇的な逆転勝利を収めた。
 
 クラブの公式HPで、植田は次のように試合を振り返っている。
 
「0-2からひっくり返せたことは今後に向けても強みになると思うけど、失点は悔しい。自分のミスで取られたので、絶対に取り返してやろうと思っていた」
 
 やられたら、やり返す――。たしかに最初の失点は植田のミスからだった。クリアボールが相手に当たり、そのまま持ち込まれて先制点を奪われた。
 
 DFとして失点の責任を痛感していたに違いない。どんなに頑張っても、相手の得点は取り消せない。仮りを返せるとしたら、これ以上の失点を許さず、そして自分がゴールを決めるしかない。このふたつのミッションを、植田は完璧に遂行してみせた。
 
 持ち前の空中戦の強さで今季リーグ初得点を挙げ、終盤の相手のパワープレーに対しては、身体を張って弾き返す。日本代表にも定着しつつある22歳のCBは、攻守に際立つパフォーマンスで、敵地での貴重な勝点3を手繰り寄せた。

【清水 2-3 鹿島 PHOTO】終盤の怒涛の反撃で鹿島が0-2から逆転勝利
■試合レポート■
J1・4節/清水 2-3 鹿島

 J1リーグ4節の清水対鹿島戦が3月18日、IAIスタジアム日本平で行なわれ、鹿島が3-2で劇的な逆転勝利を収めた。鹿島はこれでリーグ3連勝、清水は連勝が2でストップした。
 
 立ち上がりは鹿島ペースで進んだ。ポゼッション率で勝るアウェーチームは、最終ラインから丁寧にパスをつないで清水を押し込む。中盤の遠藤康や土居聖真がボールを収めて起点になり、SBの山本脩斗、伊東幸敏が高い位置に進出した。
 
 37分には永木亮太のロングフィードを受けた伊東がクロスを供給。最後はこぼれ球に詰めた山本がシュートを放ったが、GK六反勇治のファインセーブに阻まれた。
 
 対する清水は攻撃こそ単発だったが、守備は極めて高い集中力を維持した。鹿島のサイド攻撃で押し込まれても、中央を固めてクロスを撥ね返す。そうして迎えた41分、まさにワンチャンスを生かして先制に成功した。
 
 GK六反のロングフィードを鄭大世がフリック。これを鹿島のDF植田直通がクリアミスし、ルーズボールを拾った金子翔太がGKとの1対1を制した。
 
 鹿島は前半終了間際にセットプレーの流れから鈴木優磨が決定機を迎えたが、シュートはまたもGK六反のファインセーブに阻まれ、そのままハーフタイムに突入した。
 
 ビハインドを背負った鹿島は、後半開始から山本に代えて西大伍を投入する。ゲームコントロール能力に長けた西を入れたことで、左サイドからの組み立てが精度を増した。
 
 61分には、その左サイドでのビルドアップから小笠原満男がサイドチェンジを入れ、右サイドを上がった伊東へ展開。伊東がボールキープから遠藤へとつなぎ、遠藤が左足でシュートを放ったが、惜しくも枠を外れた。
 
 しかし、鹿島が前がかりになって徐々に中盤にスペースが空き始めると、清水の攻撃にもリズムが生まれ始める。
 
 63分に右クロスに合わせた鄭が決定的なヘディングシュート。さらに67分には松原后のオーバーラップで左サイドの裏を取り、クロスのこぼれ球を拾った金子が決定的なシュートを放った。いずれもゴールにはならなかったが、その良い流れのなか迎えた70分、鋭利なカウンターから追加点が生まれた。
 
 左サイドでボールを持った鄭が中央へパス。これはDFに当たるも、こぼれ球を拾った金子がエリア内でキープして時間を作り、走り込んできた白崎のフィニッシュにつなげた。スコアは2-0。清水に大きな2点目が入った。
 
 だが、ここから鹿島が怒涛の反撃を見せる。まずは74分、遠藤のFKに植田がヘッドで合わせて1点を返す。さらに79分には、永木のクロスを鈴木がヘッドで沈めて同点に。わずか5分間でゲームを振り出しに戻した。
 
 勢いに乗った鹿島は、まだまだ攻撃の手を緩めない。83分には土居が金崎夢生との連係でエリア内に侵入し、最後はレオ・シルバがシュート。これはDFにクリアされたが、直後のショートCKで遠藤がクロスを供給すると、中央の金崎が1トラップからボレーを沈めて逆転に成功した。
 
 結局、そのまま試合は終了。鹿島が3-2で勝利を収めた。74分に挙げた植田の追撃弾から、85分の金崎による決勝点までは、わずか11分。まさに怒涛の猛攻で王者の底力を見せつけた。