小田原厚木道路に続いて、いよいよ峠のメッカこと箱根のマツダ・ターンパイクに乗り入れます。

ここであらためて今回レンタルした標準仕様のRX-8をおさらいすると、215PSを発揮する654cc×2のNAロータリーエンジンをフロントミッドに搭載したFRで、5MTを組み合わせています。

観音開きのリアドアを持ち、大人4人がストレスなく乗れる4ドアボディは、走りのために前後重量比50:50を達成。RX-8は、まさしく世界唯一無二のパッケージングを実現しているのです。

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ターンパイクの料金所入口を過ぎた上り坂では、さすがは200PSを超えるパワー!  急な勾配でも、アクセルオンで期待通りの加速を発揮。またロータリーエンジンは本当に回りすぎるくらい良く回り、高回転域までパワーがリニアについてきます。クラッチ接続もなめらかで、まるでロータリーが回転差を優しく合わせてくれるようです。

また上りコーナーでは、ホイールベースが2700mmと長いせいか、後輪が車体を押し出しながら旋回していくFR車の特性を実感することができました。

連続コーナーでも、軽いエンジンがフロントミッドに搭載されている上に、フロントのダブルウィッシュボーンとリアのマルチリンクという贅沢なサスペンションの恩恵もあって、狙ったラインを軽快かつなめらかにトレースしていきます。

ターンパイクを上り切る頃には、NAロータリーのリニアな加速となめらかなコーナーリングを堪能している自分がいました。

続いて下りです。ここではエンジンブレーキを効かせながら惰性で下り、ハンドリング性能を確かめてみることにしました。マツダが誇る世界で唯一無二のロータリー・パッケージが、ターンパイクの下りでどのような素性を見せてくれるか体験したかったからです。

下りでのハンドリングは、ドライバー自身を中心にしてクルマが旋回しながらコーナーを駆け抜けていくもので、まさに同じFRで前後重量比50:50を誇るロードスターやBMWに近い走りでした。やはり走りのために前後重量をバランスさせたFRは、本当にクルマの挙動が気持ちがイイ!

BMWが強靭なボディと足回りで駆け抜ける男性的な走りだとすると、RX-8は女子フィギュアスケートのように、しなやかなボディと抜群のバランス感覚で弧を描きながら滑走していきました。

世界中のFR車がプレミアム化・大型化・スポーツ化している中、ロータリー・パッケージでしなやかな走りを実現するとともに、スポーティとファミリーを両立したRX-8は、本当に稀有な存在だったのだとあらためて実感した次第です。

今回のドライブでは、ターンパイクを何度も往復した分を入れて約365kmを走ってきました。気になるNAロータリーの燃費は、ハイオクガソリン指定で8.1km/lでした。カタログ燃費が10.0km/lですし、多走行車で都内での渋滞が多かったことを勘案すると、頑張った数値だといえるでしょう。

ただ絶対的なパワー感からすると、やはり実燃費が遠出で10km/lを越える位でないと、リーマンショックで厳しくなった燃費への期待値には、届かないように感じました。

マツダは前回の東京モーターショーで、コンセプトカーのRX-VISIONを出展して、次世代ロータリーを提案しました。マツダ開発陣は、スカイアクティブテクノロジーでレシプロエンジンの基本性能を大幅に向上させる離れ業をやってのけましたから、新世代ロータリーエンジンにも期待は高まるばかりです。

ただ、マツダがロータリーを復活させるにしても、プレミアムやスーパースポーツといった高額で特別なジャンルに閉じ込めてしまうのだけは、絶対にやめて欲しい。

やはりクルマの新技術や商品としての真価は、どれだけ多くの人に愛されるかで決まると思うのです。新世代のロータリー車種が、かつてのRX-8のように、工面すれば購入できる位の御値段であって欲しいと切に願う次第です。

(星崎 俊浩)

【関連記事】

「最後のロータリー」最終型マツダRX-8のMTモデルに試乗!(その1)
http://clicccar.com/2017/03/08/449316/

RX-8のロータリーダッシュは、噂に違わぬ回りっぷりでした!(その2)
http://clicccar.com/2017/03/12/449320/

【関連リンク】

第322弾マツダRX-8のすべて
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=NMS20030524

世界唯一無二!マツダRX-8のロータリー・パッケージは、抜群のバランス感覚としなやかな走りが魅力!(その3)【等身大インプレ】(http://clicccar.com/2017/03/18/451354/)