ヤマト運輸における配達員の過重労働は、もはや日本全体を巻き込んだ社会問題となっていると言っても過言ではあるまい。(画像:いらすとや)

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 ヤマト運輸は、クロネコヤマトの宅急便の名で同社が運営する宅配便において、4月24日より再配達受付時刻の変更を、また6月中に配達時間帯の指定枠の変更を行うことを公式に発表した。

 変更内容の詳細は以下の通り。

■当日の再配達締切時刻の変更(4月24日より実施)

セールスドライバーによる受付 20時まで→19時までに変更サービスセンターによる受付 20時まで→19時までに変更再配達自動受付による受付 20時まで→18時40分までに変更インターネットによる受付 19時40分まで→18時40分までに変更

■配達時間帯の指定枠の変更(本年6月中より実施)

現状の指定可能時間枠

午前中(〜12時まで)、12時〜14時、14時〜16時、16時〜18時、18時〜20時、20時〜21時以上6区分

変更後の指定可能時間枠(12時〜14時の配達枠を廃止する)

午前中(〜12時まで)、14時〜16時、16時〜18時、18時〜20時、19時〜21時

以上5区分

 さて。上記のごとき変更が必要になったのは、もちろん、インターネット通販の劇的な拡大(Eコマースの拡充)による宅配便市場全体の物量増加と、しかしそれと相反する労働市場における人手不足に伴う需給の逼迫による、厳しい経営状況にある、とヤマトは述べている。

 つい先日、ヤマト運輸労働組合が状況の改善を求める請願を本社に対して行ったばかりであり、これはそれに対する対応の一環であると考えられる。

 もちろん、配達時間枠を若干改善した程度ですべてが解決するほど現状は甘くないのであり、9月をメドとした宅急便料金全体の値上げ、主要通販企業に対する値上げ要求など、ヤマトは既に様々な動きを取っていることが各メディアにより報じられている。

 インターネット通販が、宅配便が、いかに便利であるとはいえ、サービスを根底において支えているのは、我々と同じ人間である。消費者が他人の過重労働の上にあぐらをかいてサービスを享受するのが、進歩的な社会だというものでもないだろう。とりあえず、この程度の変革は、座して受け入れるのが消費者として賢明な態度というものではなかろうか。