【前園真聖コラム】第129回「UAE戦は引き分けではなく勝利が必要」

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今回の日本代表にも不安材料が山ほどあります。海外組では試合に出られない選手もいます。Jリーガーは、まだ開幕したばかりでやっと身体が目覚め始めている段階です。それに対して、相手のUAEは多くの選手が所属するアル・アインのスタジアムで、じっくり日本を待つことができます。気温の差も、きっと日本選手を苦しめるでしょう。

アウェイ戦、初戦で負けたUAE、コンディションの差……。だから今回の試合は勝ち点「1」を獲得すると上出来でしょうか?

僕はそう思いません。初戦で負けた相手だからこそ、今回は勝ち点「3」を奪ってこなければならないのです。少なくとも、引き分けでもいいと考えたら、その時点で勝ち点「0」になることは間違いないでしょう。

この戦いの中でどうやれば日本は勝つことができるのか。それを示すのがヴァイッド・ハリルホジッチ監督の役割です。

明るい材料もあります。11日のヘルタ・ベルリン戦で公式戦10試合ぶりのフル出場を果たし、調子をグンと上げた香川真司です。香川の場合、技術は日本選手の中でトップクラス。あとはメンタルが重要です。香川が気持ちよく日本代表に合流するのは、清武弘嗣が負傷明けだということを考えると、一番素晴らしい材料ではないでしょうか。

一方、本田圭佑はまだ苦しみが続いています。ですが、本田の経験は日本代表の宝でもあります。本田の代わりができる選手はいないのです。ただし、ハリルホジッチ監督はコンディションを重視して使うでしょうから、本田は先発ではないかもしれません。

そんなとき、本田が何を見せてくれるのか。きっと本人もプラス思考で考えるでしょう。これまで以上に、本田の活躍を注目したいと思います。

そして最後に確認しておくと、とにかく勝点を積み重ねられないのが、予選では一番よくないことです。そのことを理解して、戦略を立ててほしいと思います。