米オープンアクセスジャーナル「Science Advances」が掲載した、中国と米国の科学者が行った共同研究の成果によると、世界的な温暖化のペースはこれまでの予測を13%上回るという。写真は南極。

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世界的な温暖化に、新たな証拠が加わった。 米オープンアクセスジャーナル「Science Advances」が掲載した、中国と米国の科学者が行った共同研究の成果によると、世界的な温暖化のペースはこれまでの予測を13%上回るという。科技日報が伝えた。

論文の筆頭著者、中国科学院大気物理研究所副研究員の成里京氏は、記者の取材に応じた際に「温室効果ガスの排出により、地球には多くの熱が留められることになり、その温暖化を直接促す作用を及ぼしている。これらのエネルギーの9割以上が海の中に留められている。そのため海洋の熱含量の変化は、気候変動の重要な指標だ」と指摘した。

海洋の温度はどれほど上がったのだろうか。各国際機関が海洋観測により導き出すデータには、大きな開きがある。成氏は「海洋の熱量の変化に関する過去の推計は、正確ではなかった。最大の原因は、海洋観測の不足、不均等な分布だ。これまで海洋観測は主に船舶で行われていた。得られるデータは非常に少なく、しかも北半球中緯度の人類活動の多いエリアに集中していた。今世紀初頭になり、世界の主要海域を網羅する海洋観測ネットワークの『アルゴ』が構築されたが、分解能はそれほど高くない」と話した。

いかに限りある観測された情報を利用し、観測されていないエリアの気候変動の情報を導き出すべきか。研究チームは最も正確な平均値を取る方法を打ち出した。気候模型の過去の海洋気候変動に対する一連のシミュレーション結果を用い、海洋気候変動の空間的な関連性の情報を導き出し、かつすべての観測の空間的影響範囲を追加した。さらに重要なのは、同研究が最近の豊富な海洋観測データを用い、歴史的な熱含量変化率の各海盆および異なる時間軸の正確性を評価し、過去の観測の不足による推計の誤差を初めて量化した点だ。

同チームはこれらを踏まえた上で、1960年から2015年までの海洋熱含量の変化を推測した。特に1971年から2010年の世界海洋温暖化のペースは、気候変動に関する政府間パネル第5回気候変動評価報告書の推計を約13%上回っているということがわかった。(提供/人民網日本語版・編集YF)