Excelをまだ手で直しているいの? 日付や曜日も自動更新! 手間ナシなExcelの時短。活用ワザ

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Excelは、言わずと知れた表計算ソフトの大定番。
ビジネスでは当然だが、プライベートでも家計簿や個人のスケジュールなど、利用されている人は多い。

Excelでは、売り上げ表の作成で合計や平均を自動的に計算させたり、グラフを作成して視覚的にわかりやすく表現したりできるので非常に重宝する。

しかし、Excelの用途はこれだけではない。
住所録やスケジュール表・プロジェクト管理表などを作成するといった用途にも適している。

プロジェクト管理には専用のツールもあるが、大げさすぎるしコストもかかる。
小さなプロジェクトや個人の仕事、予定などを管理するには、Excelで十分なので、多くの人に使われている。

そこで今回は、個人のプロジェクト管理表をExcelで作成する際のコツや時短ワザを紹介しよう。

実際に、筆者はExcelで以下のような仕事管理表を作成して運用している。


フォーマットを作り、日々の予定や作業を書き込んでいっている


●日付は連続データではなく数式と表示形式の設定で
日付は、連続データで入力しがちだ。もちろんそれでもよいのだが、もっと簡単な方法がある。

この例でいうと、手順は以下の通りだ。


A3セルに2017/1/1と入力し、A4セルに「=A3+1」と入力



A4セルを下方向にドラッグして12月分までコピーする



A列を選択して「Ctrl+1」を押し、「ユーザー定義」を選んで「m/d aaa」と入力



これで日付欄が完成


一見、複雑そうに見えるが、シカケは非常に簡単。
2017年1月1日から1ずつ足していくだけなのだ。

表示形式の「m/d」は日付、「aaa」は曜日を意味する。
連続データとの違いは、簡単に使い回しができる便利さがポイントだ。

連続データは、翌年の表に書き換える場合だと、
そのたびに日付や曜日をドラッグする必要がある。
しかし、数式を使えば、
C3セルの「2017/1/1」を「2018/1/1」に変更する
これだけで、自動で「1/2 月、/1/3 火、…」に変更され、曜日も2018年用に変更されるのだ。
1度フォーマットを作っておけば、ほとんど手間をかけずに毎年使えるわけだ。

●土日に色を付けるなら条件付き書式で
土曜日は青、日曜日は赤にするとわかりやすい。
これも手作業ではなく、条件付き書式で設定すると、1つ1つ色を変更する必要はなくなる。
翌年以降も、簡単に使い回しができるようになる。


土曜日を青、日曜日を赤に設定するとわかりやすい表になる


条件付き書式で日曜日のセルを赤に設定する方法は以下の通り。
 1)設定するセル範囲をドラッグで指定する
 2)「ホーム」タブの「条件付き書式」→「新しいルール」を選択する
 3)「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択する
 4)「=WEEKDAY($A3)=1」と入力し、赤とボールドを設定する


条件に合えば設定した書式を適用してくれるのが「条件付き書式」だ


土曜日を青に設定したい場合は、新しいルールで、上記の「1」の部分を「7」にし、文字色を青にすればよい。
「WEEKDAY」は、「曜日に応じて値を返す」という意味の関数で、1が日曜日、2が月曜日…7が土曜日、というルールがExcelにはあるのだ。

●文字確定後すぐに装飾する場合は「Ctrl」+「Enter」
この仕事管理表では、どのようなタスクがあったかを簡単に記載し、タスクがあったところは、プロジェクトごとに色を分けて背景色を設定している。
プロジェクトごとに別の色を付けると、視覚的に各プロジェクトの区別が、よりわかりやすくなるからだ。

文字入力したあと、すぐにそのセルに色を付けるなど装飾を施したい場合、
 1)文字を入力する
 2)「Enter」キーで確定するとアクティブセルが下に移動
 3)上矢印キーで入力したセルに戻す
 4)装飾する
という手順だと、上矢印キーを押す手間が余分にかかる。
2)の手順で「Ctrl」+「Enter」キーを押すと、アクティブセルを移動することなく文字が確定できるため、すぐに装飾が可能だ。

ほんの少しの手間だが、毎回のこととなると「ちりも積もれば山となる」。
筆者はこのワザを習得して使いこなせるようになったことで、管理表を更新するのがちょっと楽しみになったほどだ。

こういった管理作業は少しでも時短して、企画や制作など本来の仕事に時間をかけられるようにしたい。

●同じ内容を入力するなら「Ctrl」+「D」
連日のミーティング、3日続けての動作検証など、同じ内容を入力することは多い。そんなとき、そのたびに手入力するのはナンセンスだ。「Ctrl」キーを押しながらドラッグしてコピーする手もあるが、セルの端をつかむのに案外神経を使ったりする。

そんなときは「Ctrl」+「D」のショートカットキーが超絶便利だ。上のセルと同じ内容をコピーしてくれるのだ。左の小指で「Ctrl」キーを、左の人差し指で「D」キーを押すと非常に押しやすく、快適だ。装飾を施している場合は、それも反映されるので一石二鳥だ。


「Ctrl」+「D」キーで上のセルをコピーできる


このワザはプロジェクト管理だけでなく、いろいろな場面で使う機会が多い。
例えば、確定申告用の医療費控除集計表。同じ病院の入力が続く場合、病院名と所在地は「Ctrl」+「D」でサクサク入力していける。

●同じ列のデータを一覧表示する「Alt」+「↓」も便利
同じ列で、前に入力したデータを、再び使いたいという場合がある。
そんなときは、「Alt」+「↓」が便利だ。

キーを押すと、その列で使用したデータがリストで表示されるので、そこから選ぶだけでよい。

「↓」で入力したいデータを選択し、「Enter」キーを押せば入力できる。マウスに手を動かすことなくキーボードだけで処理できるので、効率がよい。
このワザは、記入する内容が比較的少ないときに威力を発揮する。数が多いと、リストから探すより入力したほうが早い場合もあるので、状況に応じて使い分けるのが通だ。


その列に入力した文字列が一覧表示されるので、ここから選べばよい


Excelは、実にさまざまな用途に使える非常に優れたツールだ。
スケジュール管理のほか、自分が見た映画の履歴や血圧の管理、家計簿など、多様なデータをまとめることができる。

筆者は仕事管理表だけでなく、
・クレジットカードでの購入履歴
・体重の推移
・個人事業の売上管理
・エンディングノート
まで、ありとあらゆる種類の管理をほぼすべてExcelで行っている。

難しい関数を覚えなくても、ちょっとした手作業を省くワザや使い方を覚えるだけで、ぐっと楽になる。
ぜひとも日常生活で、もっとExcelを使い倒してほしい。


内藤由美