高級ダウンのカナダグース、米加で同時上場 国際事業を拡大へ

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カナダ・トロントに拠点を置く高級ダウンウェアブランド、カナダグースが3月16日、ニューヨーク証券取引所とカナダのトロント証券取引所に上場した。

ニューヨーク市場では同日、株価は一時、新規株式公開(IPO)価格を41%上回る18ドルを付けた。初日の終値は、26%高の16ドルだった。価格900ドル(約10万円)のダウンジャケットなど冬物のアウターを手掛ける同社は、上場により2億5500万ドル(約289億円)を調達したことになる。

上場を果たしたカナダグースの議決権のうち、68%は2013年に同社株の過半数を買収(購入額は非公開)した米投資会社のベインキャピタルが握る。また、上場の引受主幹事は、ゴールドマン・サックス、クレディ・スイスなどだった。

カナダグースは2016年、売上高2億9080万カナダドル(約247億円)、純利益2650万カナダドルを記録。前年は売上高が2億1840万カナダドル、純利益が1440万カナダドルを記録だった。

大幅な事業拡大を狙う

ダウンコートのフードの縁に使っているコヨーテの毛皮や、赤い線で縁取った円形のロゴマークで知られるカナダグースは、60年前にトロントで創業。同社のダウンは、南極探検隊や犬ぞりを走らせる人たち、エベレストの登山家たちに愛用されてきたことで知られている。

近年は、高級衣料品市場で販路を拡大。カナダ出身のラッパー、ドレイクのブランドと提携するなどしている。また、俳優のエマ・ストーン、ブラッドリー・クーパーなど、多くの有名人が着用している姿も捉えられている。

世界36か国で製品を販売する同社は昨年、ニューヨークに旗艦店をオープン。最も多くの利益を得ているのは、米国となっている。同社が提出したIPO申請書類によると、今後はさらなる市場の拡大を目指しており、ドイツやイタリア、スカンジナビア諸国に店舗を開設する可能性がある。また、中国での事業は現在のところ、ごく小規模にとどまっているという。

一方、カナダグースは申請書類の中で、自社が消費者の好みの変化から影響を受けやすいことを認めている。同社のビジネスが「高級アウターウェアという単一の商品カテゴリーに集中している」ためだ。

そのため同社は今後、気候がより温暖な地域の消費者向けの製品も充実させていく考え。軽量ジャケットやニットウェア、フリース素材の衣類に加え、フットウェアやトラベルギア、寝具類などを発売する予定だ。

抗議行動も

一方、カナダグースは動物愛護団体PETAから厳しい批判を受けている。PETAは今後、多数の同社株を購入し、株主として同社事業への影響力を行使していく意向を表明している。

昨年のニューヨーク旗艦店のオープン時にも抗議活動を実施したPETAは、15日もニューヨーク証券取引所の周辺に活動家らを送り、IPOに反対する声を上げた。