神木隆之介&佐々木蔵之介が語る、棋士と役者の共通点とは?

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羽海野チカの同名漫画を実写映画化する『3月のライオン』(前編3月18日公開、後編4月22日公開)。主人公・桐山零の成長だけでなく、過酷な道を歩む将棋の棋士たちが繰り広げる熱きドラマも大きな見どころだ。零役の神木隆之介と、島田開八段役の佐々木蔵之介を直撃し、勝負の世界に身を投じた感想を聞いた。

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17歳のプロ棋士・零が、数々の対局や近隣の町に住む3姉妹との交流を通して、成長していく姿を描く本作。棋士たちの魂のぶつかり合いが感動的に描かれるが、役者と棋士に共通する点を感じることもあったそう。

撮影の2か月前から将棋のレッスンに励み、没入するように将棋と向き合った神木は「盤上のコミュニケーションは、心と心の通じ合いだと感じました」と話す。「棋譜を見ているとそこには棋士同士の駆け引きがありますし、質問状を投げかけることもあります。言葉がなくても、人と人、気持ちと気持ちがきちんとぶつかり合っているというのは、役者の世界とも通じることだと思いました」。

佐々木も「対局をしている時というのは、相手と戦ってはいるのですが、たぶん自分と向き合っているんだと思うんです。指し方ひとつひとつに自分の生き様が重なるとも考えられます。それは役者も同じですね」とじっくりと語る。

身一つで盤に向かい、その身を削るように人生をかけて勝負に挑む。棋士の生き様とは、孤独にも見える。神木は「演じていても、勝ち負けの世界にいる棋士の方たちは本当に孤独だなと思いました。勝ちたい者同士がいて、それぞれがどれくらいのものを背負っているかに関係なく、勝者と敗者を絶対に決められます。とても冷酷なことだと思います」とシビアな世界に心を寄せる。

さらに「演技のなかでは勝ち負けははっきりしません。芝居はチームプレイでもある」としつつ、「でもやはり自分と向き合っていくことが大事。セリフを言うのも、その役を演じるのも自分。勝ち負けの世界の孤独ほどではないですが、ひとりで頑張らなければならないこともある。その部分ではとても共感しますし、少なからず共有できることがあると思います」と役者業も孤独な一面を持ち合わせていると言う。

佐々木は「役者に勝ち負けはない」と神木の言葉に同意。「それを感じるのは、自分がどう思うか。自分が失敗してしまったり、雰囲気にのまれて自分の思い通りに芝居ができなかったりすることもある。それは自分の今までの積み重ねが足りなかったということです。きっとそれって、棋士の方も負けた時に思うことなんだと思います。そういう思いは繋がるのかなと思います」と自身への厳しさが顔をのぞかせた。

大人気漫画の実写化で、個性豊かな豪華キャスト陣に囲まれながら二部作の主演という大役を果たした神木。幼少期からキャリアを積み重ねてきた神木にとっても、「未経験のことばかり。プレッシャーもありました」と新たなチャレンジとなった。「二部作の主演も初めてですし、素敵なキャストの方ばかり。そのなかで桐山零として立たせていただくことには、とても緊張しました」。

神木を支え、前に進ませたのは、持ち前の「楽しむ」との精神だ。「現場では将棋をずっと指していました。楽しくて楽しくて仕方がなかった。駒の音を聞くのも美しくて、大好きです。みなさんにも優しくしていただきました。もちろん役について悩んだり、苦しんだりすることもありました。しかしとても心地いい苦しみ方だったと思います。もっとこうしたらどうなるんだろう、でもこうすると桐山のようでないかななど、考えていくのがすごく楽しくて。次はこれをやってみよう、では次はこれ、とすべてを楽しんで演じることができました」。【取材・文/成田おり枝】