喫煙をやめられない妊婦とその家族に金沢市が助成金を出す見通し

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全国的にも珍しい「妊婦さんの禁煙」に的を絞った政策が来年度から始まる。

金沢市が2017年度予算に計上

金沢市が2017年度から、妊婦とその同居する家族の禁煙治療にかかる費用を全額助成する制度を新たに設ける。

予算案は3月24日の市議会で可決される見通しで、市の「金沢健康プラン」改定に合わせ、4月から実施する予定。

母子健康手帳を受け取りに来た窓口で制度を案内する。

市健康政策課は、妊婦に焦点を当てた上限のない禁煙支援制度は全国的にも珍しいとしている。

写真提供:金沢市(出典元:金沢旅物語)

金沢市中心部の資料写真 写真提供:金沢市(金沢旅物語)

妊娠中の喫煙、なぜ危険?

妊娠中のタバコは、胎児にどのような危険が及ぶのか。

東京都福祉保健局や日本禁煙学会の資料によると、タバコを吸うとニコチンと一酸化炭素の作用で、人体には血管の収縮や血中の酸素量減少といった変化が起こる。

これにより胎児の低体重や流産といった危険性が高まるという。

また、出産後も乳幼児がタバコの煙にさらされると、ぜん息や学習機能の低下を招きやすいとされている。

これは、夫や親など周囲の煙を吸ってしまう受動喫煙でも同様という。

目指せ妊婦の喫煙0%

金沢市の調査では、市内の年間約4000人の妊婦のうち2.8パーセントが喫煙。

割合は徐々に低下しているが、市として目標の0パーセントまでさらなる後押しが必要と判断した。

1人当たりの助成額は、一般的な禁煙治療の自己負担分となる1万3000円〜2万円を想定する。

生まれた子が1歳6カ月健診を受けるまで、タバコを断つことが支給条件だ。

下がりにくい日本女性の喫煙率

厚生労働省の調査(2015年11月)によると、過去10年間の日本人女性の喫煙率は、男性と比較して微減に留まっている。

2014年には4年ぶりに上昇し、話題になった。

出典元:厚生労働省 平成27年「国民健康・栄養調査」の結果

出典元:厚生労働省 平成27年「国民健康・栄養調査」の結果

妊娠は、本人や家族にどうしても負担が増える時期だ。頭で分かっていても1本くゆらせてしまう瞬間があるかもしれない。

新たな助成制度について、金沢市健康福祉課の担当者は「これを機会に、妊娠前から吸っている本人や周囲の人がタバコをやめてもらえれば」と話している。

※初公開時、議会での可決日程に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(2017年3月17日14時45分)