写真提供:マイナビニュース

写真拡大

●型番の「W」は何を意味する?
LGエレクトロニクス・ジャパンは3月16日、テレビの2017年モデルの発表会を開催した。有機ELテレビ「LG OLED TV」が3シリーズ4モデル、液晶テレビが4シリーズ10モデルで、いずれも4月上旬より順次発売となる。本稿では発表会の様子をレポートする。

冒頭、LGエレクトロニクス・ジャパンのイ・インギュ社長が壇上に立ち、「これまで有機ELの認知拡大に尽力してきたが、2017年はさらなる革新の年にする」と挨拶、シンプルさを追求した有機ELテレビの最上位機「OLED 65W7P」をアンベールした。

薄さを強調するため、製品は真横を向けて登場させ、さらに台座をくるりと回転させると、ガラス面に取り付けているために画面が宙に浮いているように見えるなかなか心憎い演出だ。

OLED 65W7Pは、専用のブラケットで壁面に取り付けるデザイン「Picture-on-Wall」を採用。本体の厚さが3.9mmしかなく、ガラスの壁面に掛けると映像が宙に浮かんでいるかのような演出が可能になっている。65インチでありながら本体重量は7.6kgと軽い。

イ社長は、W7PのWには3つの意味を込めていると述べ「1つは壁紙を意味する『Wall Paper』、2つめは部屋の窓をイメージした『Windows』、3つめは驚きと感動の言葉『Wow!!!』だ」と力説した。

続けて、4K液晶テレビも10モデルという充実したラインナップを展開することに触れ、「薄型テレビのリーディングカンパニーとして最前線を走り続ける」と宣言して締めくくった。

続いて登壇したマーケティング部のキム・ドンゴン部長は、「かつて、液晶から有機ELにテレビが移り変わると確信していたのはLGだけだった」と、有機ELパネルの開発に一日の長があることを強調。

2017年モデルは昨年モデルに比べピーク輝度が25%アップ。明るいところはより明るく、暗いところはより暗く表現できるようになったことや、APL(輝度レベル)50%以下の映像の輝度処理を改善することで、輝度をより高くできると説明した。

●AVマニア以外にも受け入れられるには
○音が立体的に聞こえる「Dolby Atmos」

また、今回有機ELテレビの全モデルに、テレビでは世界で初めてとなる「Dolby Atmos」を採用。発表会では、ドルビージャパンの白柳氏がDolby Atmosの優位性を解説した。

Dolby Atmosは、音響の立体的な表現を実現するサウンド規格で、今回の有機ELテレビにおいては内蔵スピーカーのみで3D音響を実現する。L/Rといったチャンネルの概念を排し、個々の音のデータと共に、刻々と変わる三次元の座標データを記録することで、高さの情報まで加えた緻密な音の配置と動きを再現する。

○有機ELテレビだけじゃない

最後に、キム部長が再び登壇して、4K液晶テレビを紹介した。

カラーフィルターの上に極小サイズの粒子を塗布する「Tru Nano Display」技術を採用し、繊細で自然な色合いをナノレベルで忠実に再現。これにより、広い視野角と高い色再現性を実現し、リビングなどで真正面からテレビ画面を見ていない人でも、美しい映像が楽しめるという。

さらにDolby Visionを始めとする様々なHDRフォーマットに対応し、特にハイエンドモデルでは通常の映像をHDR品質に近づける「Active HDR」機能を搭載。より直感的に多彩な機能が利用できるスマート機能も充実させたと語った。

○有機ELテレビ普及の年となるか

4K液晶テレビ最上位の「SJ8500」(65V型)が推定350,000円前後なのに対し、有機ELテレビ最上位「OLED 65W7P」のそれは1,000,000円前後と約3倍。下位モデルの「OLED 65C7P」でも700,000円前後と倍の価格差であり、これは映像にこだわるAVマニアでもまだまだ気軽に手が出る製品とは言いづらい。

ただ、一方で「有機ELは映像が綺麗」「有機ELと言えばLG」という認知は着実に広がってきており、量販店の店頭に足を運んだユーザーからは「これが有機ELか! 」「確かに見やすくて綺麗だ! 」と驚く声も多く上がる。有機ELの画面を見たことのないユーザーに、いかに量販店のテレビコーナーに足を運んでもらうかは、同社はもちろん、有機ELテレビを発売するテレビメーカー全体の課題と言えるだろう。

有機ELテレビが液晶テレビ以上に薄く、壁掛けスタイルにマッチしやすい点などは、リビングに設置したときに「人に自慢できる」要素でもある。新築やリフォームに合わせた提案とは親和性も高そうだ。2017年がAVマニアだけに留まらない有機ELテレビの広がりの一年となるか、同社にとって、また業界にとって、試金石の年かもしれない。

(プラスワン・クリエイティブ)